化粧水は実は浸透しない?化粧水の本当の役割と浸透させる5つの方法を紹介
化粧水の広告でよく見かける「奥まで浸透する」というワード。
肌の奥の方までしっかりうるおいそうな印象を抱きますよね。
一方で、「化粧水はそもそも浸透しないから不要だ」という意見を唱える方もいます。
そんな「化粧水が浸透する・しない」の真意は、一体どこにあるのでしょうか。
今回はそんな知っているようで知らない、化粧水の秘密にクローズアップ。
化粧水が浸透しにくくなる原因や、より浸透を高めるための方法など、化粧水にまつわるさまざまな情報をご紹介していきます。

1.「化粧水が浸透する・しない」ってどういうこと?

化粧水が浸透する・しない
そもそも「化粧水が浸透する・しない」とはどういうことなのでしょうか。
その意味を紐解いていきましょう。

1-1.化粧水が浸透するのは角質層まで

角質層
私たちの肌は、大きく分けて、表皮・真皮・皮下組織の3つの層に分けられます。
表皮の一番外にあるのが、角質層。
わずか0.02~0.04mmという非常に薄い層です。
実は、化粧水が浸透するのは、この角質層まで。
角質層には、バリア機能があり、内側の水分が蒸発しないように守られていたり、花粉などの外的刺激が内部に入れない仕組みになっています。
化粧水も、同様。
角質層のバリア機能を突破できないため、角質層より下に化粧水が浸透することはありません。
「化粧水は、角質層までは浸透するけれど、それよりも奥には浸透しない」というのが、「化粧水が浸透する・しない」の真意なのです。

1-2.「奥まで浸透」ってどういう意味?

しかし、「うるおい成分が奥まで浸透」などと記載されている広告も散見されますよね。
実はこのような広告をよく見ると「奥まで」の部分に「*」マークが付いていて、下に「角質層まで」と注釈が付いています。
たとえ浸透するとしても、あくまで角質層まで。
これは、身体機能の普遍的な事実であり、化粧水とはそういうものなのです。

1-3.化粧水は意味がない?

以上の事実を踏まえた上で、「身体機能的にそもそも化粧水は浸透しないから不要である」と結論づける意見もあります。
しかし、角質層に化粧水を染み込ませることは、肌の保湿にはとても有効。
たとえ0.02~0.04mm程度でも、角質層はスポンジのように保水する機能があり、水分をキープしています。これが、肌のうるおいの一翼を担っていると考えられます。
角質層が水分で満たされることで、ふっくらと盛り上がり、キメも整った状態に。
この役割は、乳液やクリーム、オイルなどの油分ではできません。
「角質層に水分を与える」をいう役割をしっかり担えるのは、やはり水分をしっかり補給できる化粧水だと言えるでしょう。

1-4.油分で蓋をすることも大切

しかし、化粧水をつけただけでは、結局水分が蒸発してしまうのも事実。
うるおいをキープするためには、油分でコーティングして蒸発を防ぐ必要があります。
その役割を果たすのが、乳液やクリーム、オイルなど。
スキンケアの最後にこれらのアイテムを塗布することで、化粧水をしっかり角質層に留まらせることができるのです。

2.化粧水が浸透しにくくなる3つの原因

化粧水が浸透しにくくなる3つの原因
以上のことから、化粧水が浸透するのはあくまで角質層まで。
しかし、それでも化粧水が浸透しづらいと感じることがあるでしょう。
事実、いくつかの理由で化粧水が角質層に浸透しにくくなることもあります。
その原因を探っていきましょう。

2-1.肌の乾燥

化粧水が浸透しにくくなる原因として、まず挙げられるのが肌の乾燥。
乾燥した肌には、水分が染み込みやすそうな印象を抱きますが、実はその逆。
角質層が水分を失うことで、硬くなってしまいます。
それにより、隙間が減少して、化粧水が浸透しにくくなるのです。
肌の乾燥は、次のようなさまざまなことが原因で起こります。
  • 空気の乾燥
  • 間違った洗顔
  • 加齢
  • 保湿不足
  • 紫外線
など
これらの要因を排除して、肌をうるおいのある状態にキープしておくことが、化粧水の浸透を高めることにつながります。

2-2.角質肥厚

化粧水が浸透しにくくなる原因として、角質肥厚も挙げられます。
角質肥厚とは、角質が必要以上に厚くなってしまうこと。
そもそも不要になった角質は、ターンオーバーによって剥がれ落ちていきます。
しかし、ターンオーバーが乱れることで、不要な角質が蓄積。
これにより、角質自体が厚くなってしまうのです。
角質が厚くなると、その分、化粧水の浸透も悪化。
しっかり化粧水を与えても、肌がなかなかうるおわないと感じてしまうのです。
ターンオーバーの乱れは、次のようなことが原因で起こります。
  • 加齢
  • 間違ったスキンケア
  • 紫外線
  • ストレス
  • 肌の乾燥
など
適切な角質ケアを取り入れることが、大切です。

2-3. セラミド不足

セラミド不足
セラミド不足も、化粧水の浸透を阻害する原因のひとつです。
セラミドとは、私たちの角質層に存在する細胞間脂質の主成分。
バリア機能の要として、水分の蒸発を防いだり、外的刺激から内部を守る役割を果たしています。
そのセラミドが不足することで、水分保持能力が低下。
化粧水が蒸発しやすい状態になってしまうのです。
そのため、セラミド不足は、化粧水の浸透を阻害する原因となります。
セラミドの不足は、次のような原因で引き起こされます。
  • 加齢
  • 間違った洗顔
  • 紫外線
  • 空気の乾燥
  • ストレス
など
とくに、30代以降は徐々にセラミドが減少してくるので、化粧品で補ってあげることが大切です。

3.化粧水を浸透させる5つの方法

化粧水を浸透させる5つの方法
それではここから、化粧水をよりしっかり浸透させるための方法をご紹介します。
ご自身の肌質や肌状態に合わせて、適切なものを取り入れてみてくださいね。

3-1.ブースター

化粧水の浸透を促す方法として、まず挙げられるのが「ブースター」。
「導入美容液」や「プレ化粧水」と呼ばれることもあります。
洗顔後、化粧水の前に使うことで、肌が柔らかくなり、化粧水のなじみをよくしてくれる効果があります。
とくに、乾燥で肌がごわついている方は、ブースターを使うと、肌がほぐれて高い浸透を感じられるでしょう。
さっぱり使える化粧水タイプや、高いうるおいを感じるオイルタイプなど、種類もさまざま。
ヒアルロン酸やセラミド、ビタミンC誘導体など、配合されている成分も違いがあるので、肌質や年齢に合わせてセレクトしてみてくださいね。

3-2.コットンパック

コットンパックも、手軽に化粧水の浸透を高められる方法のひとつ。
化粧水を染み込ませたコットンを張り付けておくことで、化粧水が肌に密着する時間を伸ばすことができ、浸透を高められます。
ただし、コットンパックを長時間やるのはNG。
逆に肌を乾燥させてしまうことになります。
コットンがひたひたになるぐらい化粧水を染み込ませて、3~5分程度のコットンパックを行いましょう。
コットンパックの詳しいやり方については、こちらの記事にて掲載しております。

3-3.蒸しタオル

蒸しタオルも、化粧水の浸透を高めることができます。
洗顔後、蒸しタオルを顔に乗せることで、毛穴が拡張。
また蒸気によって角質層も柔らかくなり、化粧水がより効果的に浸透すると考えられます。
血流も良くなって、顔色がパッと明るくなるので、血行不良で肌がくすみがちな方にもおすすめです。
ただし、蒸しタオルを使った後は、水分が蒸発しやすい状態に。
速やかに、次のスキンケアに移るようにしましょう。
蒸しタオルは、電子レンジやお湯で簡単に作ることができます。
こちらの記事にて、蒸しタオルの作り方を詳しく解説しておりますので、併せてチェックしてみてくださいね。

3-4.スチーマー

スチーマーも、化粧水の浸透を高めることができるアイテムのひとつ。
5,000円程度のシンプルなものから、2万円を超える高機能なものなど、さまざまな製品があります。
化粧水の浸透を高められる理由としては、蒸しタオルと同じ。
蒸気によって毛穴が拡張したり、肌が柔らかくなることで、化粧水が浸透しやすくなります。
ただし、高温すぎるスチームや、頻繁な使用は、肌にダメージを与えてしまう可能性も。
オーバートリートメントにならないように、気をつけながら取り入れましょう。

3-5.ピーリング

角質肥厚により肌がごわついて、化粧水の浸透が悪くなっている方は、ピーリングも有効。
ピーリング剤によって不要な角質が取り除かれて、化粧水の浸透がアップします。
ただし、ピーリングは、使い方によっては肌にダメージを与えてしまうこともあります。
メーカー推奨の頻度や時間を守り、慎重に取り入れることが大切。
とくに、乾燥肌や敏感肌の方、ニキビなどの肌トラブルを繰り返している方は、セルフケアでのピーリングはご注意ください。
できれば、皮膚科に相談した後にホームケアで取り入れるか、美容皮膚科で施術する方法をおすすめします。

3-6.酵素洗顔

角質肥厚によって化粧水の浸透が悪くなっていると感じる方は、酵素洗顔もおすすめ。
毛穴の汚れや不要な角質にアプローチしてくれます。
ピーリングよりもマイルドなので、取り入れやすいと言えるでしょう。
ただし、こちらも頻繁な使用はできません。
一般的なパウダータイプの酵素洗顔は、刺激が強いため、週一回程度にしましょう。
なかにはデイリーに使えるマイルドな酵素洗顔もあるので、乾燥肌や年齢肌の方は、そのような製品を試してみてくださいね。

4.45歳・乾燥肌が上記の方法を試してみた

45歳・乾燥肌が上記の方法を試してみた
上記の方法を、私もこれまで何度か試してきました。
なかでも、最近行ったケアの感想をお伝えしていきたいと思います。

4-1.ブースター

40代になってから、ブースターはマストアイテム。
化粧水タイプ、美容液タイプ、オイルタイプなど、さまざまなブースターを試してきました。
なかでもよかったのがオイルタイプ。
オイルを先に使うと、化粧水を弾いてしまうような感じがしますが、肌が柔らかくなって浸透がアップします。

4-2.蒸しタオル

蒸しタオルはたった1分程度でも毛穴が広がって、化粧水がしっかり浸透する感じがします。
スチーマーほどの威力はないものの、肌が濡れる感じもなく、手軽に心地よくお手入れができました。
エッセンシャルオイルを1滴垂らすと、よりエステ気分を味わえるのでおすすめです。

4-3.ピーリング

ピーリングは、もともと皮膚が薄い私には刺激が強すぎました。
ピーリング後、化粧水をたっぷり塗布しても、どんどん蒸発してしまうような感じになり、私の肌には合わなかったようです。
しばらく肌が敏感になってしまったので、ピーリングを取り入れたい方は、慎重に行ってくださいね。

5.まとめ

今回は、化粧水の浸透にクローズアップしてきました。
化粧水が浸透するのは角質層まで。
角質層には保水機能があり、水分で満たしてあげることで、肌のうるおいをアップさせることができます。
しかし、乾燥や角質肥厚など、化粧水の浸透が悪くなることも。
そのようなときは、今回ご紹介した方法を取り入れることで、浸透を高めることができます。
肌質によっては合わないケアもあるので、ご自身の肌の状態をしっかり見極めて取り入れてくださいね。
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