椿油が肌に悪いって本当?肌荒れ、油焼けのリスクは?メーカーの大島椿様に聞いてみた

日本古来から重宝されてきた「椿油」。
ヘアケア製品に配合されているイメージがありますが、肌にも使うことができるのでしょうか?

インターネットをチェックしてみると「椿油は肌に悪い」なんていう声もちらほら見かけます。
そこで今回は、椿油を製造・販売されているメーカー2社に質問をしてみました。

本記事では、その返答と共に、「椿油」の魅力や使い方をお伝えしていきたいと思います。

  • 椿油が肌に悪いって本当?
  • 椿油はどんな成分が入っているの?
  • 椿油はどんな効果がある?
  • 椿油の使い方を知りたい

このような疑問をお持ちの方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

1.椿油とは

椿油とは

まずは椿油がどのようなオイルなのか、その概要をチェックしていきましょう。

1-1.椿の種子から採れる油

私たち日本人にとって、身近な植物「椿」。
雅な真紅の花は、凛としていて美しいですよね。

そんな椿(ヤブツバキ)の種子から採れる植物性油脂が「椿油」。

椿油は日本で古くから親しまれており、平安時代にはヘアケア、スキンケア、食用、灯用など、生活のあらゆるシーンで重宝されてきました。

現代でも、ヘアケアをはじめとする美容オイルとして、また食用オイルとしても活用されています。

1-2.オレイン酸が豊富

椿油の主成分は、オレイン酸。
椿油85%もの部分を占めています。

健康効果が高いとして人気のオリーブオイルも、オレイン酸を豊富に含む油。
それ以上に、椿油には多くのオレイン酸が含まれているのですね。

私たちの皮脂にもオレイン酸が含まれているため、椿油は非常に肌なじみがよく、浸透力が高いのが特徴です。

2.椿油の効果・効能

椿油の効果・効能

椿油は、どのような効果・効能があるのでしょうか。
掘り下げてチェックしていきましょう。

2-1.髪を健やかに

椿油といえば、ヘアケアですよね。
平安時代の女性たちの美しい黒髪も、椿油でケアされていたといいます。

椿油に豊富に含まれるオレイン酸は、キューティクルを保護。
髪の内部の水分蒸発を防いで、パサつきを防止してくれます。

またシャンプー前にマッサージを行うと、毛穴に詰まった汚れが浮かび上がり、頭皮が清潔に。頭皮の乾燥も防ぐことができるので、紫外線ダメージを受けたあとのケアにもよいでしょう。

2-2.肌の保湿

椿油は、肌の保湿にも効果を発揮します。

私たちの皮脂の約40%はオレイン酸でできているため、同じくオレイン酸が豊富な椿油は肌なじみやすく、浸透力も高いのです。

椿油をスキンケアに使えば、ごわついた肌が柔軟に。
乾燥した肌に、うるおいがもたらされます。

乾燥した肌は、水分が蒸発しやすく、外的刺激にも弱いので、カサカサしたりかゆみを感じることがあります。椿油は、そのような乾燥肌をやさしくケアしてくれるオイルです。

2-3.紫外線(UV-B)のダメージから肌を守る

椿油は、紫外線(UV-B)のダメージから肌を守る効果も期待できます。

ただし、ダメージを削減できるのはUV-Bのみ。
UV-Bとは、表皮にダメージを与えて、日焼けやシミやそばかすを引き起こす紫外線です。

一方、波長が長く真皮まで到達するUV-Aのダメージを減らすことはできません。

また日焼け止めのように紫外線そのものを吸収したり、散乱させる効果はないので、必ず日焼け止めを併用するようにしましょう。

2-4.コレステロールを下げる

食用としても使われている椿油。
コレステロールを下げるという効果が期待できます。

その効果をもたらしてくれるのも、椿油の主成分「オレイン酸」。

オレイン酸は、善玉(HDL)コレステロールの量を減らすことなく、悪玉(LDL)コレステロールだけを減らしてくれるため、健康面からも大きな注目を集めています。

悪玉(LDL)コレステロールの増加は、高血圧や動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす原因に。コレステロール値が気になる方は、食用の椿油を取り入れてみてはいかがでしょうか。

3.「椿油は肌に悪い」と噂される理由

「椿油は肌に悪い」と噂される理由

このように、保湿力の高くスキンケアにもうれしい効果をもたらしてくれる椿油。
なぜ、「肌に悪い」という噂が流れているのでしょうか。

それには、次の2つが考えられます。

3-1.精製度の低いオイルは油焼けの心配がある

椿油は、何度も精製されて純度の高いものがスキンケアとして使われます。

椿油に限らず、精製度が低いオイルは、不純物が混入しているので油焼けを起こす可能性があります。
精製技術が発達する数十年前、ワセリンは油焼けを起こして肌を黒くするといわれていましたが、それは精度の低さが招いたことでした。(現在、流通しているワセリンは油焼けの心配はありません。)

椿油が肌に悪いと言われるのは、そのような「油焼け」が懸念されているのかもしれません。

3-2.オレイン酸を多く含むのでニキビ肌には不向き

椿油は、オレイン酸を豊富に含みます。

オレイン酸は、ニキビの原因菌であるアクネ菌のエサになるので、ニキビを悪化させてしまう可能性も。

そのため、もともとニキビができやすい人にとっては「肌に悪い」と感じれるかもしれません。

ニキビができやすいオイリー肌の人は、椿油の使用を避けることをおすすめします。

4.椿油のメーカーに問い合わせてみた

.椿油のメーカーに問い合わせてみた

以上のように、いくつかの点に気をつければ、スキンケアにも使える椿油。
「それでも、本当に肌に使えるのか心配……」というあなたのために、今回、実際に椿油を製造されているメーカーに問い合わせてみました。

4-1.質問内容

ご回答をいただいたのは、大島椿株式会社様と五島椿本舗様。
いずれも100%の椿油や椿油を使用した数多くの製品を販売されている、椿油専門メーカーです。

今回、次のような質問をさせていただきました。

「椿油はヘアケアにいいというイメージですが、顔の肌にも使えますか?
また油焼けなどの心配はないでしょうか?

使用の際の注意点などがあったら、教えていただけると幸いです。」

4-2. 大島椿株式会社様の回答

大島椿株式会社様からは次のような回答をいただきました。

弊社の椿油は髪だけでなく、お肌(顔・からだ・頭皮)への使用もおすすめしている天然椿油100%の植物性オイルです

椿油の主成分であるオレイン酸トリグリセリドは、人の皮脂にも含まれているため、肌にやさしくなじみやすく、刺激が少ない油脂とされています。

椿油をつけることにより皮膚を保護し外からの刺激から守り、水分の蒸発を防ぐ効果がございます。

また、椿油には紫外線(UVB)などの刺激から肌を守る性質があり、日焼けや油焼けを促進することはありません。

一方、紫外線そのものを実質的に吸収したり散乱させたりすることは出来ませんので、紫外線を防ぐためには、大島椿を塗った後に日焼け止めを重ねてお使いください。” (一部抜粋)

4-3.五島椿本舗様の回答

五島椿本舗様からは次のような回答をいただきました。

“椿油ですが、弊社の商品は国内の椿の実から搾り精製した、無添加の100%純油です。

お肌にはもちろん髪や乾燥しやすい、肘、膝、かかとなど、全身にお使いいただける商品となっております。

ご愛用されているお客様もお顔に使われている方も多く、小さいお子様に使われている方もいます。

ただ、個人差もありますので絶対に大丈夫です。
と言い切るのは、難しいのでお客様に判断していただくしかないというのが実情でございます。

油やけに関しましては、心配がなく、有害紫外線である、UVB波を吸収する働きがございます。
そばかすやシミが気になる方は併用して、日焼け止めを使われることをお勧めしています。

使用に関しましては、開封後は直射日光の当たらない冷暗所で保管していただくことと、
時々、油の出口を拭いてお手入れする事で、酸化を防ぐことができます。” (一部抜粋)

4-4.気になる場合は、メーカーに問い合わせを

2社の回答によると椿油は、けの心配はなく、顔のスキンケアにも使えるとのことでした。

このように、気になる点がある場合は、メーカーに直接問い合わせをしてみるのがおすすめ。

たいていのメーカーの公式ホームページには、問い合わせフォームが設置されており、個人の質問に対しても、すぐに回答をくださいます。

椿油による肌への影響が気になる方は、購入前に問い合わせて、納得の上で購入してみてくださいね。

5.椿油を使ったスキンケア

椿油を使ったスキンケア

最後に、椿油を使ったスキンケアの方法をご紹介します。

5-1.ブースターとして

椿油は、ブースターとして使用することができます。

ごわついた肌がやわらかくなり、その後の化粧水の浸透がアップしますよ。

洗顔後の清潔な肌に、少量の椿油を塗布。
皮脂の多いTゾーンは控えめにすると、テカリを防止することができます。

その後、いつもどおりのスキンケアをすればOKです。

5-2.スキンケアの最後に

椿油は、スキンケアの最後に使うこともできます。

化粧水や乳液で肌を整えた後、最後に1,2敵の椿油を手のひらにのばし、ハンドプレスしながら肌に塗布します。

べたつきが気になる方は、口の周りなど乾燥が気になる部分だけに使ってもOK。

水分の蒸発を防ぐことができ、うるおいのある肌に仕上がりますよ。

5-3.クレンジング

椿油は、クレンジング剤の代わりにもなります。

摩擦が起きないように、多めの椿油を手に取り、やさしくメイクとなじませていきましょう。
その後、ぬるま湯で洗い流してください。

ただし、一般的なクレンジング剤に比べて、すすぎしにくいというデメリットもあります。
クレンジングのあとは、必ず洗顔をして肌に残ったオイルや汚れを落とすようにしましょう。

すすぎにくさが気になるようでしたら、ティッシュかホットタオルでやさしく拭き取ってから、ぬるま湯ですすいでもOKです。

6.まとめ

今回は、「椿油は肌に悪いのか?」という疑問と共に、椿油の魅力について解説してまいりました。

椿油は、ヘアケアだけでなく、スキンケアにもつかえるオイル。
油焼けの心配はなく、肌にうるおいを与えて柔軟にしてくれます。

このように、疑問や不安がある場合は、購入前にメーカーに問い合わせをしてみることをおすすめします。

日本が誇る椿油、上手に取り入れてスキンケアやヘアケアに活用していきましょう♪

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