
空気が乾燥する秋冬はもちろん、近年の猛暑によるエアコンの常時使用、強い紫外線などによって、深刻化する肌の乾燥。
そこで気になるのが肌の水分量です。
肌の水分量はどうしたら上げることができるのでしょうか?
今回は、その疑問にクローズアップ。
肌の水分量が減ってしまった時に起こるトラブルや、肌の水分量を上げる成分、正しいスキンケアや生活習慣など、まとめてご紹介していきます。
Contents
1.肌に必要な水分量とは?

肌に必要な水分量とは一体どれくらいなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
1-1.角質層の水分量の理想は20~30%
肌の水分量とは、角質層の水分量を表します。

角質層とは、肌の最も外側にある層のこと。
わずか0.02mmほどの薄さですが、水分の蒸発を防いだり、外的刺激から内部を守るというバリア機能を果たしています。
この角質層の水分量の理想は、20~30%と言われています。
水分量はスキンチェッカーで計測することが可能。
個人で購入することも可能で、コスメカウンターで計測してもらえる場合もあります。
1-2.肌の水分量が一定以上上がらない
乾燥を防ぐためには、たくさん保湿をすればよさそうですが、肌が保持できる水分量には限界があります。
角質層にはバリア機能が備わっており、過剰な成分が入ってこないように働いているためです。
また角質層には水分を保持する天然保湿因子(NMF)やセラミド(細胞間脂質)が含まれていますが、保持できる水分量にも限界があります。
これらの機能により、肌の水分量が一定以上上がらないのです。
2.肌の水分量が減る理由

肌の水分量は、さまざまな理由で減ってしまいます。
その具体的な原因を探っていきましょう。
2-1.加齢
肌の水分量が減る原因として、まず挙げられるのが加齢。
年齢を重ねることにより、肌の3大保湿因子である天然保湿因子、セラミド、皮脂の分泌量が減少し、肌が乾燥しやすくなります。
個人差はありますが、一般的に肌が乾燥し始めるのは、20代後半から30代頃。
保湿因子の減少に加えて、肌のターンオーバーも遅くなり、乾燥が進行することがあります。
2-2.乾燥した環境
乾燥した環境も肌の水分量を下げる原因。
冬季や乾燥した室内など、空気の湿度が低い環境では、肌の水分が蒸発しやすくなります。
とくにエアコンが常時効いている部屋では、空気が乾燥し、水分が肌から奪われやすくなるので注意が必要です。
2-3.紫外線の影響
肌の水分量を下げる原因として、紫外線も挙げられます。
紫外線は角質層の構造を破壊。
角質細胞を乾燥させて、バリア機能を弱めます。
これにより、皮膚から水分が蒸発しやすくなります。
2-4.不適切なスキンケア
不適切なスキンケアも肌の水分量を下げる原因。
・保湿不足
保湿不足で、十分なうるおいが与えられないと肌が乾燥することがあります。
・過度な洗顔
洗いすぎやゴシゴシ洗顔、熱すぎるお湯でのすすぎなどは、必要なうるおいを奪い、肌を乾燥させます。
・UVケアの不足
UVケアを怠ることで、肌の乾燥が進行します。
2-5.ストレス
ストレスも肌の水分量を下げる原因のひとつ。
ストレスによって自律神経やホルモンバランスが乱れると、肌のターンオーバーが乱れます。
健やかな肌が作られなくなり、肌が乾燥してしまうことがあります。
2-6.生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れもその一因です。
睡眠不足や食生活の乱れなどにより、肌のターンオーバーが乱れ、健やかな肌作りを阻害。
肌の乾燥など、さまざまな肌トラブルを招きます。
2-7.脱水症状
脱水症状も肌の水分量低下の原因となります。
水分は体のすべての細胞や組織、臓器に必要不可欠なものであり、肌もその一部。
体内の水分が不足すると、肌の細胞が水分を保持できなくなり、乾燥します。
こまめに水分補給をすることが大切です。
3. 肌の水分量が減ると起こる肌トラブル

肌の水分量が減ると、どうなるのでしょうか。
具体的な肌トラブルを挙げてみます。
3-1.乾燥肌
肌の水分量が減ると、肌はカサカサとした乾燥肌の状態に。
悪化すると、粉が吹いたようになることもあります。
3-2.敏感肌
水分が不足すると皮膚のバリア機能が低下。
化粧品や花粉などの外部刺激を受けやすくなります。
3-3.しわ、たるみ
肌の水分量が減ると、乾燥肌になり、細かいちりめんじわが現れます。
また、バリア機能が低下して、紫外線の影響を受けやすい状態に。
それにより真皮層のコラーゲンやエラスチンもダメージを受け、肌のたるみやすくなります。
3-4.くすみ
水分不足により、角質が厚くなることで肌がごわつき、透明感が失われます。
血行が悪くなり、顔色がくすみ、暗くなることも。
3-5.ニキビ、毛穴の開き
一見、関係なさそうなニキビや毛穴の開きも、乾燥によって引き起こされます。
肌が乾燥しすぎると、内部を守ろうと皮脂が過剰に分泌され、毛穴が詰まりやすくなります。
詰まった毛穴でアクネ菌が発生して、ニキビができることがあります。
4.肌の水分量を上げるために必要な成分

以上のような肌トラブルを防ぐために、肌の水分量を上げてくれる成分をスキンケアで補うことが有効。
具体的にどのような成分が水分量を挙げてくれるのか、チェックしてみましょう。
4-1.セラミド
肌の水分量を上げるために、まず取り入れたいのがセラミド。
セラミドは、角質層に存在する細胞間脂質で、肌の保湿力を維持する要の成分です。
水分を挟み込み、しっかりと肌内部の水分を保持するのが特徴。
なかでもヒト型セラミドは、肌なじみがよく、保湿力が高い成分です。
4-2.ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、1gで6Lもの水分を抱え込むことができる保水力の高い成分。
低分子ヒアルロン酸や、ナノヒアルロン酸は、浸透力が高い傾向にあります。
4-3. アミノ酸
アミノ酸は、肌の天然保湿因子(NMF)の主要構成成分。
水分を吸着して保持する性質を持ちます。
4-4.コラーゲン
真皮層に存在するコラーゲンは、水分を保持するスポンジのような役割を果たして、肌の内側からうるおいをサポートします。
化粧品に配合されているコラーゲンは、真皮層まで到達することはありませんが、肌表面や角質層で水分を保持し、一時的にうるおいいを与えます。
5.肌の水分量を上げるスキンケアと生活習慣

肌の水分量を上げるためには、どうしたらよいのでしょうか。
スキンケアと生活習慣をそれぞれ見ていきましょう。
5-1.スキンケア
・保湿
肌の水分量を上げるために、徹底したいのが保湿。
保湿におけるいくつかのポイントを、解説していきます。
・正しい保湿の順番
まず見直したいのが保湿の順番。
化粧水で水分を与え、クリームや乳液などの油分で蓋をします。
複数のアイテムを重ねづけする場合は、みずみずしいものを先に塗布してこっくりしたテクスチャーのものを後に塗りましょう。
・セラミド化粧品を取り入れる
セラミド化粧品を取り入れるのも有効。
バリア機能が正常になることで、肌の水分が蒸発しにくくなり、外部刺激にも負けない肌になります。
・蒸しタオルやスチーマー
肌の水分量を上げるために、蒸しタオルやスチーマーを使うのも一手。
肌に水分を補給しながら血行を促進し、健康的でうるおいのある肌をサポートするのに効果的です。
乾燥によるくすみが気になる方におすすめです。
毛穴が開いて化粧水の浸透のサポートにもなります。
ただし、熱すぎる蒸しタオルや長時間のスチーマーは、逆に肌を乾燥させてしまうので気をつけましょう。
・外出先のミスト
外出先で肌が乾燥してしまった場合は、ミストを吹きかけるのも有効。
メイクの上からでも使用できるミストを選べば、日中の乾燥対策になります。
ただし、ミストだけ吹きかけるだけだと、逆に肌が乾燥することも。
ミストを使用した後に保湿クリームや乳液を塗布して、うるおいを逃さないようにしましょう。
・洗顔
次に、洗顔のポイントです。
・洗顔料の見直し
肌の水分量を上げるためには、洗顔も注意したいポイント。
洗浄力が強すぎる洗顔料は、必要なセラミドや皮脂を洗い流してしまうため、肌の水分量が下がってしまう可能性があります。
乾燥が気になる方は、肌にやさしい洗顔料に切り替えるとよいでしょう。
・正しい洗顔の方法
ゴシゴシ洗顔や長時間の。洗顔は肌を乾燥させます。
しっかり泡立てて、指と顔が直接触れないようにモフモフと押し洗いしましょう。
・UVケア
肌の水分量を上げるためにはUVケアも必須。
紫外線は夏だけでなく一年を通して降り注いでいます。
雲や窓ガラスも通過するため、季節や天候外出の有無にかかわらず、しっかり日焼け止めを塗るようにしましょう。
5-2.生活習慣
次に、生活習慣のポイントをご紹介します。
・水を飲む
水をしっかり飲むことは、肌の水分量を上げることにつながります。
一気に大量に飲むと胃腸に負担をかけるので、一日を通してこまめに飲むことが大切。
その際、ぬるま湯や白湯など、冷たすぎないものがおすすめです。
水を飲むと美肌になる?美容効果を上げる水の飲み方やNG方法を徹底解説
・質の良い睡眠を取る
質の良い睡眠をとることも大切。
とくに肌を修復するホルモンは、寝入りの3時間くらいで多く分泌されるので、ぐっすり眠れる環境を整えましょう。
6.私の保湿ルーティン

乾燥肌の私がルーティンで使用しているアイテムがこちら。
ヒト型セラミド配合のブースターとアミノ酸配合の化粧水です。

洗顔後、まずブースターオイルを塗布。
ごわついた肌がふわふわになります。

その後、とろみのある化粧水によって肌がしっとり。
最後にもう一度オイルで蓋をして完了です。
たったアイテムですが、いろいろ試して行きついた私の保湿ルーティン。
肌の水分量が気になる方におすすめです。
7.まとめ
今回は、肌の水分量を上げる方法についてクローズアップしてきました。
肌の水分量が下がると、乾燥肌や敏感肌、くすみなど、さまざまな肌トラブルが起こります。
入念な保湿、正しい洗顔、UVケアなど、基本のスキンケアでしっかり肌の水分量をあげておくことが大切です。
今回、肌の水分量を上げる成分もご紹介しておりますので、ぜひ化粧品選びの参考になさってくださいね。