スポーツを愛する人たちの中で、密かに人気のオイルがあります。
その名は「アルニカオイル」。
筋肉痛や肩こりの痛みを和らげてくれる効果があり、あのプロサッカー選手の長谷部誠さんも愛用されているそうですよ。
ここ日本ではあまり見かけないオイルですが、海外ではそれなりに知名度があり鎮静剤の代用品として使われているのだとか。
私は最近ランニングを初めたのですが、あまりの運動不足で、すぐに足首が痛くなってしまいました。
また長時間のデスクワークで、肩こりや足のむくみも気になります。
そこで今回は、アルニカオイルで気になる部分を一気にケアしてみたいと思います。
ただし、気になるのが禁忌事項。
アルニカオイルは薬効が高い分、刺激も強く、使用する際に注意しなければいけないことがたくさんあるのです。
今回は、それらの禁忌事項をふまえ、アルニカオイルの効果や使用感をレポートしていきたいと思います。
- アルニカオイルって何?
- アルニカオイルはどんな痛みに効くの?
- アルニカオイルは切り傷も治せる?
- アルニカオイルはどんな香り?
- アルニカオイルは食べてもいいの?
このような疑問をお持ちの方は、ぜひ読んでみてくださいね。
Contents
1.アルニカオイルとは
アルニカオイルとは、一体どのようなオイルなのでしょうか?
まずは、その特徴をチェックしていきましょう。
1-1.アルニカの花を漬け込んだ油
ヨーロッパや中央アジアに自生する「アルニカ」という植物があります。
キク科で、デイジーに似た黄色い花を咲かせる多年草。
そのアルニカの花をホホバオイルやオリーブオイル、サンフラワーオイルなどの植物油に漬け込んでできたものが「アルニカオイル」です。
1-2.転び傷の万能薬
アルニカオイルは、ヨーロッパでは古くから家庭薬として親しまれてきました。
打ち身やねんざなどの痛みの緩和に効果を発揮するため、「転び傷の万能薬」と呼ばれてきたのだとか。ホメオパシーにも流用されています。
現代でも、スポーツ後の筋肉痛の緩和やむくみケアなど、マッサージオイルとして人気。
またその優れた効能により、ヘアケア製品や石鹸など、化粧品にも配合されています。
2.アルニカオイルの効果・効能
アルニカオイルは、どのような効果・効能があるのでしょうか。
詳しく掘り下げていきましょう。
2-1.痛みや炎症の緩和
アルニカオイルは、次のような痛みや炎症を緩和する効果があります。
- 打撲
- ねんざ
- 筋肉痛
- 関節痛
マラソン後にアルニカオイルを塗ることで、筋肉痛が解消されたなどの研究結果も。
腰痛や肩こりなどの痛みにも効果を発揮するので、スポーツをしない人でも役立ちそうなオイルです。
2-2.むくみの解消
血行促進効果のあるアルニカオイルは、むくみの解消にも効果的。
むくみは、余計な水分や老廃物が溜まっている状態。
アルニカオイルでマッサージをすれば、血流がアップして、リンパの流れがよくなり、余分な水分や老廃物が流れやすくなります。
一日中立ちっぱなしで足がだるいときなど、お風呂上りにマッサージすると効果的です。
3.アルニカオイルの禁忌事項
薬効の高いアルニカオイルですが、その分刺激も強いため、取り扱いには十分注意が必要です。
次のポイントをしっかり理解した上で、使うようにしましょう。
3-1.経口はNG
オリーブオイルや椿油のように、食用とスキンケア用の両方が流通しているオイルがありますよね。
しかし、アルニカオイルは、食用として使うことはできません。
アルニカオイルには毒性がある成分も含まれているので、経口摂取はできないのです。
小さいお子様がいらっしゃる場合は、手の届かない場所に保管しましょう。
3-2.傷がある部分には使わない
アルニカオイルは、傷の上に使うことができません。
刺激が強いため、腫れやかぶれなどを引き起こす可能性があります。
「転び傷の万能薬」とも呼ばれていますが、あくまでも筋肉や靭帯などの痛みの緩和に使用して、皮膚表面の傷の部分には使用しないようにしましょう。
指にささくれなどがある方は、注意してくださいね。
3-3.キク科のアレルギーがある人は使えない
アルニカはキク科の植物です。
ブタクサやヨモギなど、キク科のアレルギーがある方は使用できません。
万が一、赤く腫れる、発疹が出るなどのアレルギー症状が出た場合は、直ちに使用を中止して、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
ちなみに、アレルギー検査は皮膚科や内科で行うことができます。
私は数年前に皮膚科でアレルギー検査を行いましたが、結果は約一週間後で、費用は5000円くらいでした。
ご自身のアレルギーを知りたい方は、このような検査をしてみるのもおすすめです。
3-4.長期間は使えない
薬効の高いアルニカオイルは、長期間、連続して使い続けることができません。
具体的にどのくらいの期間以上は使えないという決まりはないようですが、毎日のスキンケアには使わずに、むくみがひどい時にだけ使うなど、ピンポイントで取り入れるのがよいでしょう。
3-5.妊娠中や授乳中は使えない
アルニカオイルは、妊娠中や授乳中にも使えません。
妊娠中はお腹が大きくなってきて腰が痛くなったり、産後は腰ががくがくしたり、小さな赤ちゃんを抱っこしすぎて腱鞘炎になったり……。
痛みのオンパレードである妊娠期、授乳期は、まさにアルニカオイルが活躍してくれそうですが、その刺激の強さから、使用することができないのです。
別の安全な方法で、体をケアするようにしましょう。
4.アルニカオイルの使用感
それではさっそく、アルニカオイルを実際に試してみたいと思います。
今回使用したのは、SALVIAのアルニカオイル。
パッケージにアルニカの花が描かれていますね。
15mlとかなり少量なので、マッサージに使ってしまうとあっという間に使い切ってしまいそうですが、連続して使えないアルニカオイルは、このような少量ボトルが適していると思いました。
4-1.色
今回使用したアルニカオイルは、透明。
日本でも人気のヴェレダのアルニカオイルはやや黄色っぽい色だったので、製品によって違うと思われます。
4-2.香り
香りも製品によってさまざまだと思いますが、私が使っているこちらの製品はとってもいい香り♪
ハーブのようなさわやかな香りで、とても気分がよくなります。
香りはとても強く、送付されてきたこのビニールのパッケージを開けた途端、ふわ~っと漂ってきました。
手につけたあとずっと香りが残っていたので、ハンドソープで洗ったのですが、それでも香りが残っているほど。
この香りの強さや爽やかさが苦手な人もいると思うので、初回は少量ボトルで試してみるのがおすすめです。
4-3.テクスチャー
テクスチャーはさらさら!
アルニカオイルを手の甲に乗せて、片方の手にカメラを持とうとしたほんの数秒の間に、バーッと広がっていきました。
これだけ軽くて伸びがいいと、マッサージもしやすそうですね。
5.アルニカオイルはブレンドできる
アルニカオイルは、そのまま皮膚に塗りこむこともできますし、他のオイルとブレンドすることもできます。
- 禁忌の多いアルニカオイルを使うのに抵抗があるから、普段使っているオイルとブレンドしたい
- 全身をマッサージしたいので、もっとリーズナブルなオイルと混ぜたい
このようにお考えの方は、ブレンドがおすすめです。
ちなみに、上の写真は同じくマッサージに使いやすいスィートアーモンドオイルとブレンドしたもの。
香りも損なわれず、問題なくマッサージすることができました。
6.アルニカオイルの使い方
それでは、さっそくアルニカオイルを使って、実際にマッサージを行ってみたいと思います。
6-1.ボディマッサージ
まずは、ボディマッサージをご紹介します。
・足
ランニングで痛くなった足首に、アルニカオイルを塗ってみました。
すーっと鼻に抜けるようなさわやかな香りが心地よく、湿布の匂いよりずっといい!
湿布の香りを漂わせたくない方には、とてもいいメリットだと思いました。
そしてむくみが気になるひざ下。
アルニカオイルを手に取って、下から上にリンパを流すようにマッサージしていきます。
マッサージ後、足が軽くなった感じ!
立ちっぱなし、座りっぱなしで足がむくんでしまったときは、寝る前に行うとよさそうです。
・肩、デコルテ
肩やデコルテのマッサージにもおすすめ。
アルニカオイルを手に取って、やさしくコリをほぐします。
とくに鎖骨付近にはリンパが集中しているので、しっかり流してあげるとよいでしょう。
・腕
PC作業をしていると、意外と凝っているのが腕。
手首から肘に向かって、やさしく押しながらマッサージしました。
オイルの保湿効果で、マッサージ後は肌もしっとり♪
6-2.頭皮マッサージ
さわやかな香りのアルニカオイルは、頭皮マッサージにもぴったりです。
長時間のパソコン作業で、頭や目が疲れている方も多いのではないでしょうか。
まずはアルニカオイルを手に取って、両手の指を側頭部にセット。
4本の指でぎゅーっと押したり、ぐるぐるマッサージをします。凝っている部分は、痛気持ちいいはず。
その手を少しずつ、上にずらして同様にマッサージします。
次に、両手の指を頭頂部にセット。
頭皮を左右、前後に動かすようにマッサージします。
後頭部も同様に、ぎゅーっと押したり、ぐりぐりマッサージします。
さわやかな香りで、終わった後は頭がすっきり!
これまでいろいろなオイルで頭皮マッサージをしてきましたが、なかでもアルニカオイルは頭皮マッサージにぴったりなオイルだと思いました。
ただ、匂いが強いのでオフィスでのマッサージには不向き。
在宅ワーク中か、帰宅後などに行うことをおすすめします。
7. まとめ
今回は、プロのスポーツ選手も愛用している「アルニカオイル」について、解説してきました。
痛みや炎症を抑える効果があるアルニカオイルは、古くから痛みの緩和に使われてきました。現代では、運動後のマッサージや頭皮ケアにも取り入れられています。
ただし、薬効が高いアルニカオイルは、その分刺激も強く、いくつか使用上の注意もあります。
しっかり理解した上で、取り入れるようにしましょう。