近年、大きな注目を集めているシワ改善クリーム。
ここ日本でも、あらゆる化粧品メーカーがしのぎを削っていますよね。
43歳の私も、今まさに目尻や口元などのシワが気になっているところ。
ピンとハリのある肌を取り戻したく、いろいろリサーチしている最中です。
そこで最近気になっているのが「レチノール」という美容成分。
シワ改善効果が期待できる成分として、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
ただ、効果が高い分、副作用や安全性に疑問をお持ちの方もいらっしゃいますよね。
今回は、そんな謎多きレチノールクリームの正しい使い方を解説!
石田ゆりこさんのCMでもおなじみ「エリクシールシュペリエル エンリッチド リンクルクリーム」
を実際に使って、その使用感と共に正しい使い方をお伝えしていきたいと思います。
- レチノールってなに?
- レチノールはどうしてシワに効くの?
- レチノールには種類があるの?
- レチノールクリームの安全な使い方を知りたい!
- シワに効く化粧品に興味がある
このように考えている方は、ぜひチェックしてみてくださいね!
1.レチノールってどんな成分?
「レチノール」という言葉はときどき耳にするものの、実際どんな成分なのかよくわからないという方もいらっしゃいますよね。
まずは、レチノールの正体について探っていきましょう。
1-1.レチノールはビタミンAの一種
レチノールとは、ビタミンAの一種です。
レチノールは、肌の表面にある「表皮」はもちろん、奥にある「真皮」にも働きかけて、シミやシワなど、あらゆる肌トラブルを改善してくれる成分。
シワやたるみの改善効果があるとして、厚生労働省で認められている成分の一つなんですよ。
レチノールは脂溶性ですので、主に油分の多い「クリーム」に配合されます。
ちなみに同じくシワ改善効果が期待できる成分として、近年注目を集めている「ナイアシンアミド」は水溶性。化粧水やジェル、美容液にも配合されてみずみずしいお手入れができると話題になっています。
ナイアシンアミドとレチノールの併用については、こちらの記事に詳しく記載しておりますので、併せてチェックしてみてくださいね。
1-2.レチノールには種類がある
レチノールには、次のようにいくつかの種類があります。
パルミチン酸レチノールをはじめ、左寄りにあるのは効果がマイルドで刺激が少ないもの。
右に向かって効果が高くなる分、肌への刺激も強くなります。
パルミチン酸レチノール | プロピオン酸レチノール | 酢酸レチノール | レチノール | レチナール | トレチノイン(レチノイン酸) | |
特徴 | 刺激が少なく、よく化粧品に配合されている | 刺激が少なく、よく化粧品に配合されている | 安定性はやや落ちるが、浸透性に優れている | 「純粋レチノール」と呼ばれるもの。効果が高いが、化粧品への配合が難しい | 熱や光に対して不安定。実際ほとんどの化粧品に使われていない | 医薬品。 効果が高く副作用も強い |
刺激性 | ★ | ★ | ★★ | ★★★ | ★★ | ★★★★★ |
浸透性 | ★ | ★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★ | ★★★ |
安定性 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★ | ★ |
今回取り上げているのは、効果と副作用のバランスがよいと言われる「レチノール」。
一体、どのような使用感なのか、次章で詳しくレポートしていきますね。
ちなみに、前回の記事では「トレチノイン」を半年塗布した様子をレポートしています。
皮膚科で処方されるものなので、手軽に誰でも手に入るというものではありませんが、気になる方はそちらも併せてチェックしてみてくださいね。
1-3.純粋レチノールとは
今回、この記事で取り上げているのは「純粋レチノール」「ピュアレチノール」とも呼ばれる「レチノール」。
(「純粋レチノール」は、資生堂が誘導体であるレチノールと区別するために名付けたようですよ。)
純粋レチノールは、レチノール誘導体に比べて浸透性に優れていますが、安定性が低いのがデメリット。
熱や光、酸素に弱いため、化粧品に安定した状態で配合するのがなかなか難しかったのです。
しかし、パッケージの工夫や開発技術の進歩により、不安定なレチノールを安定的に肌に届けられるような商品が登場しました。
それが、今回レビューする「エリクシールシュペリエル エンリッチド リンクルクリーム」です。
純粋レチノール配合のクリームの使用感については、後ほど詳しくご紹介したいと思います。
2.レチノールがシワを改善する理由
レチノールは、どのようにしてシワを改善してくれるのでしょうか。
そのメカニズムを深掘りしてみましょう。
2-1.表皮のヒアルロン酸の産生を促す
シワが起こる原因のひとつに「ヒアルロン酸の低下」があります。
ヒアルロン酸は、1gで6Lもの水分を保持できるほど、水分保持力の高い成分。細胞と細胞の間で水分を蓄えて、クッションの働きをしてくれますが、加齢などにより減ってしまいます。
レチノールは、この表皮のヒアルロン酸の産生を促してくれる働きがあります。
それにより水分量はアップして、肌が柔らかくなることで、肌に弾力が生まれシワ改善へと繋がっていくのです。
2-2.真皮でコラーゲンやエラスチンの働きを高める
また、レチノールは真皮にも効果を発揮。
真皮には、コラーゲンやエラスチンといった、肌のハリや弾力を司る部分が存在します。
しかし、加齢や紫外線などの影響によって、コラーゲンやエラスチンは減少したり変形してしまいます。
レチノールは、これらの働きも高める作用があり、肌にハリや弾力をもたらしてくれるのです。
3.レチノール配合のクリームを使ってみた
このように、シワ改善効果が期待できる一方で、肌への刺激や安定性の低さなどのウィークポイントが気になるレチノール配合のクリーム。
実際にどのようにして使うのか、商品を使って説明していきたいと思います。
3-1. 『エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリーム』を使用
今回使用したクリームは、こちら。
『エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリーム』
資生堂が長年研究を重ねてきた「純粋レチノール」配合のクリームです。
こちらはSとLのサイズ違いが販売されています。私は今回Sサイズを購入しました。
熱、光、酸素に弱い純粋レチノールですので、できるだけ早く使いきるのがポイント。
そのため、確実に使いきれる小さいパッケージの方がよいと判断したためです。
さらに、同じシリーズでパウダー配合でクマを隠せるタイプや、美白も叶うタイプなど、いくつか種類があるようです。
今回は、純粋レチノールの効果をしっかり実感したいので、ノーマルタイプをご紹介しますね。
3-2.テクスチャー確認
テクスチャー確認のため、まずは手に出してみました。
色味はアイボリー寄りのホワイトという感じでしょうか。
のばしてみると……
わりとのびがいいです。
以前私が使ったナイアシンアミドのクリームよりはこっくりしていますが、そこまで重くないように感じました。
3-3.シワが気になる部分に塗布
それではいよいよ、気になるシワに塗っていきたいと思います。
今は、洗顔後に化粧水と乳液を塗った状態。
トレチノインを処方してもらった際に、皮膚科で「化粧水と乳液のあとに塗ってください」と言われたので、レチノール配合のクリームもそのようにしてみたいと思います。
まずは、気になる目尻から。
ごく少量を指の腹につけて、薄くのばします。
目の下にも浅いシワがたくさんあるので、ここにも塗布。
ただ目の周りは皮膚が薄いので、ごく少量を塗ることにします。
お次はほうれい線。
ここは一本、深いシワがあります……。進行を少しでも遅らせるために、シワを伸ばすように塗布しておきます。
最近気になってきた、眉間のシワにも薄く塗布。
写真を見ると笑っているのに、眉間にシワが入っているときがあって、悲しいです……。
ここもどうかレチノールの力をお借りしたいところ。
おでこにも薄く塗布。
ずいぶん前から、3本くらいシワがあります。
こんな長年のシワにも効いてくれるといいな〜。
化粧崩れが心配なので、朝は塗らずに夜のみにしています。
3-4.塗ったあとの肌
使い始めてから、現在2週間。
最初の3日ほど「ならし使い」をして、大きな副作用は起こらなかったので、今では朝晩塗るようにしています。
この2週間での状態をまとめると次のようになります。
・一度だけ目尻がピリッとした
初めてレチノール配合クリームを使った日、塗ってから1~2時間後に、一度だけ目尻がピリッとしました。
これが、レチノールの副作用かどうかは確定できませんが、おそらくタイミング的にそうなのかも。
このピリっと感は、すぐに解消して、その後は一度も起こりませんでした。
ピリっとしたのは、右の目尻のみ。
おでこや口元は、特に変化はありませんでした。
トレチノインを使用していたときには、このピリっと感が多かったように感じますが、レチノールは一度きり。やはり副作用は少ないという感じです。
ただし、副作用については個人差があります。
もし強く赤みやかゆみが出てしまった場合は、使用を中止し、皮膚科に相談するなどしてくださいね。
・皮ムケはなし
使い始めて2週間ほど経ちますが、今のところ、トレチノインを塗っていた時期に起こったような皮ムケは、特に起こりませんでした。
また、赤みも起こりませんでした。
・とてもしっとりして、長時間うるおう
2週間経過しますが、「明らかにシワが改善して、ピーンと肌が張る」というわけでありません。
でも、とてもしっとりして、長時間うるおっている感じ。
このうるおいを継続しているうちに、だんだんハリを感じてくるのかな♪
まだ2週間なので、「シワが消えた!」まではいかなかったけれど、うれしい予感はします。これから乾燥してくる季節に、この保湿力は心強いと感じました。
朝に塗布してもファンデーションがよれてしまう心配もなく、無事にメイクもできたので、しばらく朝晩使ってみたいと思います。
4.レチノールの正しい使い方まとめ
レチノール配合クリームの使い方をまとめると以下のようになります。
4-1.医薬部外品を選ぶ
レチノール配合の製品は、今回ご紹介した商品の他にもたくさんあります。
濃度の高いものの方が、効果が高くてよいと思いがちですが、濃度の高さだけで選ぶのはNG。
赤みやかゆみなどの副作用のリスクも上がってしまうからです。
肌が敏感な方は、濃度の低いものを選ぶなど、注意が必要でしょう。
選ぶ際のポイントは、「医薬部外品」かどうか。安心かつ効果が期待できるので、レチノール配合のクリームが初めての方にもおすすめです。
またサポート体制がしっかりしている企業の商品を選ぶのも、安心です。
4-2.少量から、ならし使いをする
エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリームの公式サイトの注意事項には、以下のようにならし使いをするよう書かれています。
最初の2週間は2~3日間隔で夜のみ、次の2週間は毎夜と、少しずつ使用回数を増やすことをおすすめします。
「純粋レチノールでシワを改善。エリクシールのリンクルクリーム|エリクシール(ELIXIR)|資生堂.<https://www.shiseido.co.jp/elixir/advanced/products/wrinklecream/>
今回、私の肌には強い副作用は起こりませんでしたが、個人差があります。
公式サイトに記載されているように必ずならし使いをするようにしましょう。
4-3.早めに使いきる
熱、光、酸素に弱いレチノール。
開封後は、できるだけ早めに使いきるようにしましょう。
ちなみに、トレチノインを処方されたときは使用期限が3カ月といわれました。
目元、口元など、細かい部分だけであれば、少量のものを購入するなど、容量にも注目して選ぶとよいでしょう。
4-4.蓋をしっかり閉めて、直射日光の当たらない場所に保管
酸化を防ぐために、使い終わったあとはしっかり蓋を閉めて保管しましょう。
また、すべての化粧品にいえることですが、直射日光の当たらないところに保管することも大切です。
4-5.紫外線対策をする
レチノールを使用しているあいだは、紫外線に弱くなります。季節や天候に関係なく、しっかりとUVケアを行いましょう。
たとえレチノール配合のクリームを塗ったのが夜だけだったとしても、しっかり日焼け止めは塗るようにしてください。
日焼け止めに加えて、夏場は大きめのサングラスをプラスするとgood♪
クリームを塗っている目の周りをカバーできるのでおすすめです。
5.まとめ
今回は、レチノール配合のクリームについて解説してきました。
レチノールは、安定性が低く、化粧品に配合するのが難しい成分でしたが、パッケージの工夫や開発技術の進歩により安定的に配合されるようになりました。
とはいえ、早めに使いきる、直射日光の当たらないところに保管する、UVケアをするなど、使用上の注意は必要です。
濃度が高いものがよいと思いがちですが、高ければいいというわけではありません。
ご自身の肌に合ったものを選ぶようにしましょう。
また、「医薬部外品」を選ぶことも、効果を実感する上でひとつのポイントになります。
シワやたるみでお悩みのあなた、使用に注意しながら、ご自身の肌に合ったレチノールを探してみてはいかがでしょうか。