ケーキの上にちょこんと乗っている、可愛らしい見た目のラズベリー。
そのラズベリーの種子から採れるオイルを、「ラズベリーシードオイル」といいます。
実はラズベリーシードオイルは、他の植物油にはあまり見られない「ある効果」が噂となっています。
それは、「日焼け止め効果」。
インターネット上には、SPF28~50もあると書かれている記事があるほど!
もしそれが本当だったら、日焼け止めの代わりになりますよね。
今回は、そんな噂の真相に迫っていきたいと思います。
併せて、44歳乾燥肌の私が、実際にラズベリーシードオイルを使ったスキンケアに挑戦。
アラフォーの肌にどんな効果をもたらしてくれるのか、レポートしていきたいと思います。
ラズベリーシードオイルの効果を知りたい方、植物油を日焼け止めに取り入れたい方は、ぜひお読みくださいね。
Contents
1.ラズベリーシードオイルとは
まずはラズベリーオイルがどのようなオイルなのか、その特徴をチェックしておきましょう。
1-1.ラズベリーの種子から採れる植物油
ラズベリー(和名はヨーロッパキイチゴ)は、バラ科の植物。
ケーキのデコレーションや、ジャム、ゼリーなどに用いられていますよね。
そのラズベリーの種子から採取されるのが、ラズベリーシードオイル。
美容オイルとしてスキンケアに用いられるほか、メイクアップ化粧品やスキンケア製品、ヘアケア製品などに配合されています。
1-2.ラズベリーオイルの脂肪酸構成比
ラズベリーオイルの主成分はリノール酸で約50%。
続いてα-リノレン酸が25~30%と、不飽和脂肪酸が多くを占めているオイルです。
1-3.豊富なビタミンE
ラズベリーシードオイルには、トコフェロールなどのビタミンEが含まれています。
ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、抗酸化作用が高い成分。
抗酸化作用とは、活性酸素のダメージを抑制してくれる働きのことです。
活性酸素は、紫外線やストレス、大気汚染など、さまざまなことが原因で体内に大量発生します。私たちの体に必要なものですが、健康な細胞まで傷つけてしまうというデメリットも。
これがしみやしわ、たるみなど、あらゆる肌老化の原因になります。
活性酸素のダメージを抑制してくれるビタミンEは、エイジングケア効果を期待したい私たちの世代にはうれしい成分といえるでしょう。
2.ラズベリーシードオイルが日焼け止めになるという噂
さて、冒頭でお話しした「ラズベリーシードオイルに日焼け止め効果があるのか」というお話に戻りましょう。
インターネット上には、「日焼け止めになる」という意見と「日焼け止めにはならない」という意見が両方存在します。それぞれチェックしてみましょう。
2-1. 日焼け止めになる派の意見
まずは、日焼け止めになる記事をご覧ください。
“ラズベリーシードオイルは天然の日焼け止めとしても人気のオイルです。なぜかというと、Food Chemistryによる実験で、ラズベリーシードオイルのSPF値が28~50、PA値は++になることが分かったからです(※1)。この数値は、日焼け止めとして利用するには十分な数値です。”
引用:ラズベリーシードオイルの効果効能|SPF値が最大50、PA値++の天然の日焼け止め | Timeless Edition アクセス日:2022年10月20日
具体的にSPFやPAの数値まで記載されているので、期待が高まりますね!
2-2. 日焼け止めにならない派の意見
一方で「日焼け止めにならない」という人や、「本当に日焼け止めになるの?」と疑問視する声も見られました。
自転車半日で見事に焼けて脱皮中〜。ハンガリーの陽をなめてた。ラズベリーシードオイルの日焼け止め効果はないかも🥲
朝ごはん食べたくて入ったカフェがハンガリー語とドイツ語しかなくて読めん。とりあえずomelettオムレツ🥚 pic.twitter.com/0qHB1AMU1U
— カモシカさん (@koalasan10) July 16, 2022
ラズベリーシードオイルが日焼け止めになると知りしばらく使っているけど、肌がザラザラになってきた。
合わないのか、使い方が違うのか— さわちゃん@超作曲家 (@felice21129) April 23, 2019
3.ラズベリーシードオイルは日焼け止めの代わりにならない!
このように、さまざまな意見がありますが、私はラズベリーシードオイルだけで紫外線のダメージは防げないと思っています。
それは次の2つの理由からです。
3-1.安全性に欠ける
たしかにラズベリーシードオイルは、紫外線を吸収する作用はあるようですが、紫外線吸収剤として、公式に認められているわけではありません。
どれだけ紫外線のダメージを減らせるのか、どれだけ肌への負担が少ないのかなど、安全性を実証するエビデンスに乏しいのです。
また紫外線を吸収して酸化したオイルが過酸化脂質に変化すると、肌にダメージを与えてしまう可能性も考えられます。
そのため、ラズベリーシードオイルを日焼け止めとして安全に使うことはできないと感じました。
3-2.安定性に欠ける
ラズベリーシードオイルは、あくまで天然の植物油。
収穫時期や産地によって、脂肪酸の構成比も変わってきます。
そのため紫外線を吸収する効果は、製品によって効果がバラバラ。
市販の日焼け止めの方が、確実に紫外線ダメージから肌を守ることができると考えます。
4. ラズベリーシードオイルは、日焼け止めのサポートとして
「市販の日焼け止めは肌に悪いから、できるだけナチュラルなもので」
そう考える方もいらっしゃるかもしれませんが、「自然派」にこだわりすぎて紫外線ダメージを浴びてしまうと、逆に肌を痛めてしまいます。
紫外線は日焼けだけでなく、乾燥、しみ、しわ、たるみなどあらゆる肌老化の原因になるので、市販の日焼け止めが与える肌への負担よりも、ずっと重大なものだと思うのです。
ちなみに、市販の日焼け止めは大きく分けて2種類。
・紫外線吸収剤
紫外線吸収剤は、化学物質が紫外線のエネルギーを取り込み、熱などのエネルギーに変換して紫外線をカットするもの。白浮きせず、普段使いしやすい日焼け止めです。ただし、ごくまれにアレルギー反応を起こす人もいます。
・紫外線散乱剤
紫外線散乱剤は、酸化チタンや酸化亜鉛によって光を跳ね返して紫外線をカットするもの。紫外線吸収剤に比べて、肌への負担が少ないというメリットがあります。
白浮きしやすいというウィークポイントもあるのですが、近年では研究が進んで、白浮きしにくい紫外線散乱剤の日焼け止めも多く発売されています。
どちらのタイプの日焼け止めがいいとは言い切れませんが、いずれもたくさんのデータに基づいて安全性が確認されています。
ラズベリーシードオイルは、あくまで日焼け止めのサポートとして使い、必ず市販の日焼け止めを使うことをおすすめします。
5.ラズベリーシードオイルの使用感
日焼け止めの代用としては使えないラズベリーシードオイルですが、エモリエント効果は期待できるので、スキンケアに取り入れていきたいと思います。
今回使用したのは、こちらのラズベリーシードオイル。
コールドプレス製法で製造された100%のラズベリーシードオイルです。
5-1.色
色は、ほんのり黄色。
製品によっては、もう少し濃い黄色のものもあるようです。
5-2.香り
香りは無臭に近いですね!
よくよく嗅いでみると、ラズベリーの甘酸っぱい香りがするのですが、私が使ったオイルはそこまで香りがなく、ほぼ無臭に近い感じです。油臭さもありません。
香りに敏感な方や、好きな香りの製品と混ぜたい方などには、とてもいいと思います。
5-3.テクスチャー
テクスチャーは、軽くもなく重くもなく、普通だと思いました。
手の甲に乗せたところ、ゆっくり垂れていきました。
さらさらではなく、適度なとろみがあるようです。
手になじませるとしっとり。
あっという間に手になじんで消えていくというわけではありませんが、べたつきも少ないので、すぐにキーボードを打つことができました。
6.ラズベリーシードオイルでスキンケアをしてみた
それでは実際に、ラズベリーシードオイルを使ってスキンケアをしてみたいと思います。
6-1.ブースターとして
まずは、ラズベリーシードオイルをブースターとして使用してみます。
洗顔後の肌に、これくらい少量のオイルをハンドプレスしながら塗布。
ごわついた肌がやわらかくなり、化粧水の入りもよくなった感じがします。
6-2.スキンケアの仕上げに
ラズベリーシードオイルは、スキンケアの仕上げにも使うことができます。
ただし水分を与えることはできないので、しっかり化粧水で保湿してからラズベリーシードオイルを塗布します。
そうすることで、水分の蒸発を防ぐことができて、肌にうるおいが♪
「ラズベリーシードオイル→化粧水→ラズベリーシードオイル」の順でスキンケアした状態がこちらです。
とてもしっとり仕上がりました。
6-3.他の化粧品に混ぜて
ラズベリーシードオイルを、他の化粧品と混ぜることもできます。
せっかくなので、日焼け止め乳液に混ぜてみました。
ラズベリーシードオイルを混ぜることで、日焼け止め効果がアップするわけではありませんが、よりリッチなテクスチャーになりましたよ♪
6-4.ヘアケアに
ラズベリーシードオイルはパサついた髪にもうるおいを与えてくれます。
ただし、つけるのは中間~毛先のみ。
頭頂部から5~10㎝くらいはそもそも傷みも少ないですし、オイルを塗るとペタンコな仕上がりに。頭頂部には塗らないようにしましょう。
ハチが張ってボリュームを押さえたい方は、最後にオイルで手がしっとりしている状態で、少しだけ押さえつけてくださいね。
6-5.手指のケアに
癖のない香りのラズベリーシードオイルは、手指のケアにもおすすめ。
ささくれのある指やジェルネイル後の傷んだ爪に塗布してみたところ、しっとりとしてツヤも出ました。
7. まとめ
今回は、ラズベリーシードオイルについて解説してきました。
ラズベリーシードオイルは日焼け止めの効果があるといわれていますが、エビデンスの少なさや安定性に欠けることから、おすすめできません。
ラズベリーシードオイルは、あくまで日焼け止めのサポートとして使い、必ず日焼け止めを使うようにしましょう。
水分蒸発を防いで、うるおいをもたらしてくれる効果はあるので、スキンケアに取り入れるのはおすすめです。
あなたの肌を守るのはあなた。
あいまいな情報にまどわされずに、しっかり美肌を育んでいきましょう。