肌の老化を促進する原因として、近年大きな関心を集めている「糖化」。
黄ぐすみ、しわ、シミ、たるみなど、あらゆるエイジングサインを引き起こすため注意が必要です。
「酸化」に対してはしっかりケアしていても、「糖化」に対するケアはあまり意識していないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな肌の老化を早める「糖化」について徹底リサーチ。
肌が糖化する原因と対策を詳しく解説していきたいと思います。
- 糖化ってなに?
- 糖化の肌への影響は?
- 糖化顔の特徴は?
- 顔の黄ぐすみの原因は?
- 肌の老化は何歳から?
- 糖化を予防する対策を知りたい!
このような疑問をお持ちの方は、ぜひお読みくださいね。
抗糖化対策で、若々しい素肌を手に入れましょう♪
1.糖化とは
まずは「糖化」がどのような現象なのか、詳しくチェックしておきましょう。
1-1.たんぱく質と余った糖が結びついて変異すること
糖化とは、「たんぱく質」と、エネルギーとして消費されなかった「糖」が結びついて、「最終糖化産物(AGEs)」という物質に変異すること。
たとえば、ホットケーキを焼くと表面が茶色く硬くなりますよね。
これは、糖化による変異の一例。
ホットケーキに含まれる小麦粉や砂糖の「糖」が、卵や牛乳の「たんぱく質」と結びつき、熱が加わることで糖化が起こります。
この現象が起こるのは、私たちの体でも同じ。
AGEsが体の至るところに蓄積して、健康面や美容面において悪影響をもたらします。
1-2.糖化が問題視されるようになったのは最近
人類の長い歴史において、食料が十分に手に入るようになったのは、ここ数十年の話。
人々は常にエネルギー不足の状態でした。
そのため糖が余ることで起こる糖化が問題視されるようになってからは日が浅く、新たな課題として注目されています。
酸化と違い、私たちの体には糖化に対する抵抗が備わっていないため、より深刻な問題だと考えられています。
1-3.糖化が肌にもたらす影響
AGEsが肌に蓄積すると、次のようなエイジングサインが現れます。
・黄ぐすみ
AGEsが肌に蓄積すると、肌は黄色くくすみます。透明感を失い、老けた印象に。
・しわ、たるみ
真皮にあるコラーゲンやエラスチンが糖化すると、肌のハリや弾力が失われて、しわやたるみを引き起こします。
・シミ
肌が糖化すると、ターンオーバーの機能が低下。
本来、排出されるべきメラニンが表皮にとどまり、色素沈着を起こしてシミができやすくなります。
1-4.糖化はチェックできる
糖化は血液検査や測定器で糖化度を調べることができます。
一部の医療機関で行われているので、ご自身の糖化度を知りたい場合は、測定を行っている医療機関を見つけてみてくださいね。
2.糖化を引き起こすNG習慣
糖化は生活習慣と深く関わりがあります。
どのような習慣が糖化を招くのか、チェックしていきましょう。
2-1.血糖値を上げる食事
血糖値が急激に上がると、血液中の糖が一気に増加。たんぱく質と結びついてAGEsは発生しやすくなります。
次に挙げるのは、血糖値を急激に上げてしまう食習慣。
ご自身の毎日の食事に当てはまるものがないか、チェックしてみてくださいね。
- 野菜をあまり食べない
- 朝食を食べない
- 丼ものやパスタなど一品系の料理が多い
- 食べるスピードが速い
- 清涼飲料水が好き
- お菓子をよく食べる
- ごはんから先に食べる
2-2.運動不足
運動不足も糖化を進める原因のひとつ。
食事で摂取した糖はエネルギーとして消費されます。
しかし食べた分の糖を消費しきれないと余ってしまい、体を構成しているたんぱく質と結びついて糖化を招くことに。
日頃、全く運動をしないのに、つい食べすぎてしまう方は要注意です。
2-3.睡眠不足
あまり関係がないように思われますが、睡眠不足も糖化と深い関係があります。
肌の新陳代謝は、寝ている間が最も活発。
睡眠不足が続くと、老化物質がスムーズに代謝されず、肌に蓄積しやすくなってしまいます。
2-4.喫煙
喫煙も、糖化を進める原因のひとつ。
喫煙することで、交感神経が刺激されて血糖値が上昇。
さらに血糖を下げることのできるインスリンの働きを妨げてしまいます。
さらに体内に活性酸素が発生するので、「酸化」のダメージも受けます。
実際に喫煙していなくても、副流煙を吸うだけで糖化や酸化によるダメージを受けるので、喫煙しない方も、たばこの煙を避けるようにしましょう。
3.糖化を予防する食事法
糖化を予防するためには、次のような食事法を心がけましょう。
3-1.低GI値の食材を食べる
「GI値」という言葉を耳にしたことはありませんか?
GI値とはグライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後血糖値の上昇を示す指標のこと。
GI値が高い食材ほど血糖値が上がりやすく、低い食材ほど血糖値が上がりにくくなっています。
そのため、低GI値の食材を中心とした食事にすることは、肌の糖化にも効果的。
ここで、主な炭水化物と野菜のGI値をチェックしておきましょう。
・炭水化物
・高GI値
- 白米
- もち
- フランスパン
- 菓子パン
- うどん
・中GI値
- パスタ
- そうめん
・低GI値
- 玄米
- ライ麦パン
- 全粒粉パン
- 十割そば
- 春雨
・野菜
・高GI値
- にんじん
- かぼちゃ
- じゃがいも
・中GI値
- さつまいも
- グリーンピース
・低GI値
- わかめ
- もずく
- きのこ
- 葉物野菜
3-2.食べる順番を意識する
食べる順番を意識することも大切。
GI値が高い炭水化物を先に食べると、急激に血糖値が上昇して糖化のリスクを上げてしまいます。
まずはGI値の低い野菜類や汁物から先に食べ、その次にメインのたんぱく質、最後に炭水化物を食べるようにしましょう。
ただし、ポテトサラダやかぼちゃサラダ、マカロニサラダなどはGI値が高いのでご注意を。
他の野菜から食べるようにしましょう。
「お昼はコンビニで済ませちゃおう!」なんてときも、おにぎりやパンだけでなく、サラダなども追加して、このような順番を意識して食べてみてくださいね。
3-3.よく噛んで、ゆっくり食べる
早食いは血糖値を上げる大きな原因。
よく噛んで、ゆっくり食事をすることが大切です。
そうすることで、血糖値の上昇が緩やかになり、過食を防ぐことにもつながります。
食物繊維の多いものなど、噛み応えのある食材を使うことで、噛む回数を増やすことができます。
1口30回を目安に、咀嚼するようにしましょう。
3-4.食べ過ぎない
どんなに食事の内容や順番に気をつけていても、食べ過ぎてしまえば体内に糖が余ってしまいます。食べすぎには注意しましょう。
もし食べ過ぎてしまったときは、1駅分多く歩いたり、家事をたくさんするなどしてエネルギーを消費してみてはいかがでしょうか。
4.糖化を予防する飲み物&サプリメント
糖化を予防するためには、食事法に加えて次のような飲み物やサプリメントも効果的です。
4-1.飲み物
次のように、抗糖化効果が期待できる飲み物もあります。
- カモミールティー
- どくだみ茶
- ルイボスティー
- 甜茶
ちなみにコーヒーは賛否両論あるようですが、インスタントコーヒーや砂糖を入れたコーヒーは、糖化のリスクを高める可能性があります。
飲むのであれば、1日2杯程度のドリップコーヒーにして、砂糖は入れないようにしましょう。
4-2.サプリメント
抗糖化効果が期待できるサプリメントを取り入れるのもひとつの方法。
前章でご紹介した糖化を予防する食事法をベースに、そのようなサプリメントを試してみるのもよいでしょう。
次に挙げる成分は、糖化に有効な成分です。
- ビタミンB1
- ビタミンB6
- ビタミンC
- クエン酸
- αリポ酸
5.糖化を予防する生活習慣
次のような生活習慣を取り入れることで、糖化を予防することも大切です。
5-1.適度な運動
糖化を予防するためには、適度な運動が効果的。
とくに食後1時間は最も血糖値が上がるので、このタイミングで取り入れるとよいでしょう。
なかでも、ウォーキングやスロージョギングなど、軽く息が上がる程度の運動がおすすめです。
激しすぎる運動は、体内に活性酸素を発生させてしまいます。
すると今度は「酸化」によるダメージを受けてしまうことに。
酸化も、シミ、しわ、たるみなどあらゆる肌老化の原因になります。
そのため美肌作りのためには、「適度」な運動を心がけるようにしましょう。
屋外で運動をする際は、紫外線対策もお忘れなく♪
5-2.質の良い睡眠
糖化を防ぐためには、質の良い睡眠を心がけることも大切。
次のポイントに注意して、ぐっすり眠れるような環境を作りましょう。
- 寝る前にスマホやパソコンを使わない
- 寝る1時間前には部屋を暗くしておく
- 寝る直前に食事をしない
- 寝る前にカフェインをとらない
- 大量の飲酒は避ける
5-3.禁煙
喫煙習慣がある方は、ぜひ禁煙を。
喫煙は、糖化や酸化を促進して、しわ、シミ、たるみなどあらゆる肌老化の引き金になります。
食生活や睡眠環境を改善しても、喫煙をしていると肌老化を食い止めることはできません。
美しい肌のためにも、一日でも早い禁煙をおすすめします。
6.抗糖化化粧品によるスキンケア
肌の糖化が気になるのであれば、抗糖化に着目した化粧品を使うのも一手。
セイヨウオオバコ種子エキスやビルベリーなど、糖化した肌に効果を発揮してくれる成分が配合された化粧品が販売されています。
基本のスキンケアに加えて、このような抗糖化化粧品を取り入れてみてはいかがでしょうか。
またこちらの記事には、顔の黄ぐすみを改善するスキンケアやメイク方法も記載しています。
併せてチェックしてみてくださいね。
7. まとめ
今回は、老化の原因として注目されている「糖化」について解説してきました。
糖化は、黄ぐすみやしわ、たるみ、シミなど、あらゆる肌老化の原因のひとつ。
できるだけ糖化しないように、生活習慣を見直すことが大切です。
血糖値を上げすぎない食事法に切り替えて、適度な運動や質の良い睡眠を取ることで、糖化ストレスを低減できます。
また抗糖化化粧品のように、糖化に着目した化粧品を取り入れるのもよいでしょう。
内外さまざまなアプローチが功を奏しますので、ぜひ積極的に取り入れてみてくださいね。