数年前から話題となっているオイル美容。
アルガンオイルやローズヒップオイルなど、美容効果の高いオイルが話題を呼んできましたよね。
そんな中、最近「あるオイル」を塗って寝ると肌がみるみる元気になる、という口コミを目にしました。
それは「ひまし油」。
ひまし油って、あまり耳慣れないオイルですよね。オリーブオイルのように食用として愛用されているイメージもありません。
そんないまいちピンとこないオイルですが、一体どのような効果があるのでしょうか。
そこで今回は、オイル美容が大好きな44歳の私が、ひまし油の使用感をレポート!
「ひまし油を塗って寝るとどうなるか」という実験を、行ってみたいと思います。
ひまし油がどんなオイルか知りたい方、ちょっと珍しいオイルに挑戦したい方も、ぜひチェックしてみてくださいね。
Contents
1.ひまし油とは
ひまし油とは一体どのようなオイルなのでしょうか。
まずは、その概要をチェックしておきましょう。
1-1.トウゴマの種子を絞った植物油
ひまし油は、アフリカ原産の「トウゴマ」という植物の種子から採取される油のこと。
「カスターオイル」や「キャスターオイル」などとも呼ばれています。
ひまし油の歴史は古く、かの絶世の美女・クレオパトラも美しさを保つために、ひまし油を愛用していたと言われています。
1-2.多岐にわたる用途
現代でも、工業用、医療用、美容用などあらゆる分野で利用されているひまし油。
工業用としては、航空機エンジンの潤滑油として利用されてきました。
エンジンオイルで有名なカストロール社の名前の由来は、ひまし油にあるんですね。
また、非常に高いデトックス効果があることから、インドの伝統医療アーユルヴェーダにも用いられてきました。その他、医療の現場では下剤としても使われています。
さらにひまし油は、美容面にもうれしい影響をもたらしてくれるオイルとして、スキンケアや頭皮ケアにも用いられてきました。
このように、ひまし油はあらゆる分野で活躍をみせる万能オイルなのです。
2.ひまし油の脂肪酸の約90%はリシノール酸
ひまし油は、どのような成分で構成されているのでしょうか。
詳しくチェックしていきましょう。
2-1.脂肪酸の構成比
次の表は、ひまし油の脂肪酸の割合です。
脂肪酸 | 含有割合 |
リシノール酸 | 約90% |
オレイン酸 | 2~6% |
リノール酸 | 1~5% |
リノレン酸 | 0.5~1% |
ステアリン酸 | 0.5~1% |
パルミチン酸 | 0.5~1% |
ジヒドロキシステアリン酸 | 0.3~0.5% |
その他 | 0.2~0.5% |
注目すべきは、ひまし油の脂肪酸の約90%を占めるのが、「リシノール酸」と呼ばれる不飽和脂肪酸。
リシノール酸がこれほど多くを占めるオイルは非常に珍しく、他のオイルではあまり見られない特徴です。
2-2.リシノール酸の効果
リシノール酸の大きな特徴として挙げられるのが、デトックス効果。
小腸の動きを活発にして、便秘を改善する効果が期待できます。
また鎮静効果や抗炎症作用もあるとされています。
3.ひまし油の美容効果
ひまし油には、一体どのような美肌効果が期待できるのでしょうか。
掘り下げていきましょう。
3-1.保湿効果
まず効果が期待できるのが、ひまし油の保湿効果。
ひまし油は皮膚に浸透して、乾燥した肌にうるおいをもたらし、柔軟に整えてくれます。
妊娠期のストレッチマークの予防にもおすすめ。
あまり香りがないので、匂いに敏感な妊娠期にも使いやすいオイルだと思います。
3-2.傷の回復を助ける
ひまし油の主成分であるリシノール酸には抗炎症作用もあり、傷ついた細胞の修復をサポートしてくれる効果があると言われています。
乾燥してひび割れてしまった皮膚のケアに、うれしい効果をもたらしてくれそうですね。
3-3.爪の保湿
ひまし油は、爪の保湿にも効果的。
除光液を繰り返し使うことで乾燥してしまった爪や、爪周りのささくれなどにうるおいをもたらしてくれます。
3-4.髪の保湿
ひまし油は髪のケアにも効果を発揮。
パサついた毛先に塗ることで、うるおいとまとまりのある髪にしてくれます。
ただし粘度が高く、べたつきがあるので、頭皮に塗るのは危険!
あくまで毛先に少量だけ塗るようにしましょう。
頭皮に塗ると育毛効果があるという口コミも見かけましたが、残念ながら十分なエビデンスがなさそう。とくに頭皮のべたつきが気になっている方は使用に注意しましょう。
4. ひまし油の使用感
それでは実際に、ひまし油を使ってみたいと思います。
今回使用したのはこちら。マカダミ屋のひまし油。
ひまし油は酸化が早いオイルなので、このような小さなボトルがおすすめです。
4-1.ひまし油のテクスチャー
まずは、手に出してみます。
無色透明の液が出てきました。
かなりとろみのあるテクスチャー。
ホホバオイルやアルガンオイル、ローズヒップオイルなどに比べるとやや重く感じます。
4-2.香り
香りはほぼなし。
よくある油臭さみたいなものもあまり感じません。
無臭好きな日本人としては嬉しいポイントかもしれません。
ただ酸化が早いので、開封後時間が経つとどんな匂いになるのか……。
気になるところでもあります。
マッサージなどに使う場合には、ラベンダーなどリラックスできる香りをブレンドしてみるのもよいでしょう。
5. ひまし油を顔に塗って寝てみた
それではさっそく、ひまし油を顔に塗って寝てみたいと思います。
5-1.1日目
ひまし油体験レポート1日目。
初日なので、少量のオイルで様子を見てみようと思います。
化粧水と乳液で肌を整えたあと、口元や目元のシミなど、気になる部分にひまし油を2~3滴、塗布してみました。
粘度が高いので、肌にしっかりとどまるような感じがします。
乾燥が気になる口周りやほうれい線のケアによさそうですね。
また、ひまし油をまつ毛に塗ると、健康的なまつ毛が生えてくるという口コミも。
実際に育毛効果があるかは不明ですが、乾燥対策も含めて目の際に塗ってみました。
綿棒に少量のひまし油を含ませます。
目に入らないように、まつ毛の際に塗布していきます。
朝起きてすぐの状態の肌がこちら。
皮膚の薄い目の周りにも塗りましたが、とくに赤みなどのトラブルは起こりませんでした。
(人によっては赤みが出る方もいるようなので、肌が敏感な方はパッチテストをおすすめします。)
塗布した部分はややしっとり感が残っている感じですが、べたつきはありませんでした。
5-2.2日目
初日に大きなトラブルはなかったので、2日目はたっぷり塗布してみることにしました。
化粧水で肌を整えたあと、乳液を省略して、これくらいのひまし油を顔全体に塗布してみました。
Tゾーンは控えめに、乾燥しやすいUゾーンや目の周りはしっかり塗布してみましたよ。
塗った直後の肌がこちら。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、髪の毛が貼りつくくらい、かなりギトギトです。
重いテクスチャーのオイルをしっかり顔全体に塗ることはあまりないので、やや違和感を覚えましたが、とりあえずこのまま寝てみたいと思います。
ちなみに1時間後もさらっとすることはなく、肌はややべたついている状態をキープしていました。
朝起きて、洗顔した状態の肌がこちら。
今回ひまし油をたっぷり塗ってしまったので、毛穴の詰まりも心配していましたが問題ありませんでした。
とくにトラブルもなく、エアコンをつけっぱなしにして寝ていましたが、適度にしっとり感が残っています。
一晩で肌が劇的によみがえる!というわけではありませんが、この粘度の高さとしっとり感は頼もしいので、しばらく続けてみたいと思います。
5-3.毛穴の黒ずみは取れない
洗顔時に小鼻の周りの角栓が目立っていたので、ひまし油を塗ってくるくるしてみました。
結果、白い角栓はやや取れて、硬くなった黒い角栓は取れませんでした。
やはり角栓ケアには専用の酵素洗顔などがよいと感じました。
6. ひまし油を手指に塗って寝てみた
爪の保湿効果があるといわれるひまし油。荒れた手指にも塗ってみました。
塗布前がこちら。
先日、半端に残ったジェルネイルを無理やり剥がしてしまったため、ガタガタで一部薄くなっています(泣)
(注:みなさんはしっかりネイルサロンでオフしてもらってくださいね……。)
塗った直後がこちら。
つやっとして、ガタガタしていた部分がカモフラージュされています♪
ひまし油の粘度の高さも、このような細かいパーツにはよい感じです。
とてもおすすめのケアだと思いました。
7. ひまし油をガサガサの足裏に塗ってみた
最後は、足裏!
お見苦しくて申し訳ないんですが、私の足裏は常にガサガサで、ささくれにより出血することも。タコも絶えずできています。
そこにひまし油を塗った直後の状態がこちら。
表面のガサガサ感はやや落ちついて見えますね。
翌朝、タコや魚の目がぽろっと取れたり、ガサガサがつるんと治っていたというわけではありませんが、日々の保湿ケアとしてはなかなかよいと思いました。
8. ひまし油の注意点
このようにあらゆるケアに使えるひまし油。
使用するにあたって、次の点に注意しましょう。
8-1.酸化しやすい
ひまし油は、酸化しやすいオイルです。
劣化したオイルは、思わぬ肌トラブルの原因になることがあるので注意が必要。
開封した後は、速やかに使い切るようにしましょう。
顔に使うのは少量でOKなので、少量ボトルでの購入がおすすめです。
大容量のひまし油を購入した際は、ボディに使って消費するなどして早めに使い切りましょう。
使用後は、しっかり蓋をして、直射日光の当たらない涼しい場所に保管してくださいね。
8-2.顔に塗って寝たら、朝しっかり洗顔を
ひまし油を顔に塗って寝たら、朝はしっかり洗顔を。
酸化した油は肌トラブルを招く可能性があるので、起床後はしっかり洗顔料を使って、肌に残った油分や付着したほこりなどを洗い流しましょう。
9. まとめ
古くから人々に親しまれてきた「ひまし油」。
今回は、そのひまし油の魅力を体験レポートとともにお伝えしてきました。
実際使ってみたところ、粘度が高くややべたつきを感じるものの、肌に密着する感じと保湿力がよいと思いました。
短期間で劇的に肌質がよくなる!というわけではありませんが、乾燥肌のケアには活躍してくれそうです。そのほか、手指や足のケアにも使えるのも魅力。
ちょっと珍しいオイルに挑戦してみたいあなた、次はひまし油を楽しんでみてはいかがでしょうか。