スキンケアのマストアイテム「化粧水」。
乾いた肌もみずみずしくなって、気持ちがいいですよね。
しかし、
「化粧水でお肌がうるおったから、今日はこれでおしまい♪」
そんな風に、化粧水だけでスキンケアを終えてしまったことはありませんか?
私も20代の頃は、化粧水だけ塗ってスキンケアを終えていた日もありました。
40代になった今でも、子供と一緒にお風呂に入るときはドタバタで、化粧水だけ塗って他のスキンケアを忘れてしまうことも……。
実は、そんな「化粧水だけ」のスキンケアが肌の乾燥を進行させてしまうんです!
肌を乾燥から守るためには、化粧水だけでは不十分。
うるおいをキープしてくれる成分がないと、水分はどんどん蒸発してしまうのです。
今回は、そんな化粧水の真実について徹底解説。
- どうして化粧水だけじゃダメなの?
- 肌のうるおいを保つ成分とは?
- オイリー肌なら化粧水だけでもいい?
- 30代以降の乾燥肌におすすめの成分は?
このような疑問をお持ちの方、乾燥肌を改善したい方は、ぜひ最後までお読みくださいね。
1.化粧水の役割
冒頭でお話したとおり、スキンケアは化粧水だけでは不十分。
ではなぜ、化粧水だけではダメなのでしょうか。
その理由を明確にするために、まずは化粧水の役割を詳しく理解しておきましょう。
1-1.化粧水は、肌にうるおいを「与える」もの
化粧水の役割は、角質層に水分を届けて、肌にうるおいを与えることです。
化粧水の主成分は「水」。(一般的には精製水が使用されています)
その水が、角質層をみずみずしくうるおしてくれるのです。
たとえば乾いた紙に水を加えると、しっとり柔らかくなりますよね。
同じくお肌も水分が加わると、しっとり柔らかくなるのです。
1-2.化粧水は蒸発してしまう
「しっとりするなら化粧水だけでいいんじゃない?」
そう思われるかもしれませんが、化粧水は良くも悪くもうるおいを「与える」だけ。
届いた水分は、時間と共に蒸発してしまうのです。
濡らした紙もそのまま放置しておけば、やがてカピカピに乾いて硬くなってしまいますよね。
そこで必要になってくるのが、うるおいを「保つ」保湿成分。
せっかく与えた成分を、しっかり留めておく力が必要なのです。
では、どんな保湿成分が必要なのでしょうか。
それについては、のちほど詳しく解説させていただきますね。
2.どうして肌は乾燥するの?
肌に必要な保湿成分をご紹介する前に、なぜ肌は乾燥してしまうのか、そのメカニズムを理解しておきましょう。
2-1.肌のうるおいは「3つの保湿因子」で保たれている
私たちの肌は、外側から表皮、真皮、皮下組織の3層に分けられます。
さらに、表皮の一番外側にあるのが、「角質層」。
角質層は、わずか約0.02mmという非常に薄い層ですが、次の大きな2つの役割を担っています。
- 内部の水分の蒸発を防いでうるおいを守る
- 花粉や紫外線などの外的刺激から守る
この2つの役割を「バリア機能」といいます。
2-2.肌のうるおいは、3つの保湿因子で保たれている
わずか0.2mmの角質層の中は、図のような構造をしています。
このうち、皮脂膜、細胞間脂質(主にセラミド)、天然保湿因子(NMF)は、肌のうるおいを保っている3大要素です。それぞれの特徴を見ていきましょう。
・皮脂膜
角質層の外側にあるのが皮脂膜。
皮脂と汗が混ざってできています。
皮膚の表面に膜をつくることで、肌表面の柔軟性を保ち、水分の蒸発を防ぐ役割を果たしています。
そのため、皮脂を取りすぎるスキンケアには要注意。
肌を乾燥させてしまう可能性があります。
あぶら取り紙の使いすぎ、クレンジングや洗顔のしすぎなどによって、乾燥を招いていないかチェックしてみてくださいね。
・細胞間脂質(主にセラミド)
レンガのように積み重なった角質細胞の間を、セメントのように埋めているのが細胞間脂質。なかでもセラミドは、細胞間脂質の約半数を占める主成分です。
セラミドは、水分をぎゅっとはさみ込むのが特徴。
水分と油分が何層にも重なるラメラ構造によって、強力なバリア機能を果たしています。
しかし、セラミドは加齢とともに減少。
化粧品で補い、バリア機能を高めておくことで乾燥を防ぐことができます。
・天然保湿因子(NMF)
角質細胞内にあり、水分保持の中心的な役割を果たしているのが天然保湿因子(NMF)。
主成分はアミノ酸で、その他にもPCA、乳化ナトリウム、尿素などの保湿成分でできています。
しかし、細胞間脂質と同様に、加齢とともに減少してしまいます。
2-3.乾燥した肌
以上の3つの保湿因子によってうるおいが保たれている肌ですが、加齢やターンオーバーの乱れによって、減少してしまいます。
すると、バリア機能が低下。
角層の水分は蒸発しやすくなり、肌は乾燥した状態になってしまいます。
また外部の刺激を受けやすくなり、肌が敏感に傾いてしまうことも。
バリア機能を高めるお手入れで、肌を守ることが大切です。
3.主な保湿成分
乾燥状態になってしまった肌に、化粧水でうるおいを与えることはとても大切です。
しかし、それだけでは水分が蒸発してしまいます。
必要なのは、水分の蒸発を防いでくれる保湿成分。
その代表的な保湿成分をチェックしていきましょう。
3-1.水分をつかむ成分
まず多くの化粧品に使われるのは、水分をつかむ効果がある成分。
グリセリンやアミノ酸、NMFなどが該当します。
しかしこれらは、水分の吸収力はあるものの、湿度が低い環境ではやや保湿力が下がってしまうというウィークポイントもあります。
3-2.水分をかかえ込む成分
また、水分をかかえこむことで、保湿力を発揮する成分もあります。
それは、ヒアルロン酸やコラーゲン。
化粧品の商品名でもよく見かける、おなじみの成分ですよね。
「ヒアルロン酸やコラーゲンを塗っても、肌(真皮)に届かないから意味がない」などと言われることがありますが、肌を乾燥から守るという意味では効果があるのです。
湿度が低い環境でも水分をかかえ込むので、水分をつかむ成分よりも保湿力に優れているといえます。
3-3.水分をはさみ込む成分
さらにもっと強力な保湿力を発揮するのが、水分をはさみ込む成分。
セラミドやレシチンなどが該当します。
それぞれの成分同士が、湿度に関係なくぎゅっと水分をはさみ込んで水分の蒸発を防ぎます。
なかでもおすすめなのはヒト型セラミド。
肌にもともとあるセラミドと似た構造をしているので、肌なじみがよく、より保湿力に優れています。
乾燥が気になる方は、ぜひヒト型セラミドが配合された化粧品を試してみてくださいね。
3-4.水分が逃げないように蓋をする成分
水分が逃げないように蓋をする成分もあります。
該当するのは、ワセリン、ホホバ油、スクワランなど。
お手入れの仕上げに使うことで皮脂膜のように蓋となって、内部の水分の蒸発を防ぐ作用があります。
4. 肌を乾燥から守るスキンケア
では具体的にどのようなお手入れをすれば、肌を乾燥から守れるのでしょうか。詳しくチェックしていきましょう。
4-1.洗浄力の優しいクレンジングと洗顔にする
まずは肌を乾燥から守るために、クレンジングや洗顔を見直していきましょう。
・メイクの濃さに合わせたクレンジング
クレンジングでメイクを落とすことはとても大切なことです。
油性のメイクアップ化粧品は、洗顔料だけでは落とせないので、メイクをした日は必ずクレンジング剤を使います。
しかし、オイルクレンジングなどは洗浄力が高く、肌を乾燥させやすいアイテム。
リキッドファンデーションなどを使って濃いメイクをしたときは有効ですが、ナチュラルメイクの日は必ずしもオイルクレンジングを使う必要はないのです。
ミネラルファンデーションでナチュラルメイクをした日には、肌に優しいミルククレンジングにするなど、その日のメイクに合わせてクレンジングを切り替えることが大切。
無駄に負担を与えないようにしましょう。
また、できるだけクレンジングの負担を減らすためには、肌を美しく保ち、メイク自体を薄くすることも大切です。
・摩擦レス洗顔
クレンジング同様、肌に優しい洗顔料を選ぶことも大切です。
肌に優しい弱酸性の洗顔料や、保湿成分が配合された洗顔料を使うとよいでしょう。
また、どんなに肌に優しい洗顔料を選んでも、使い方を間違えると肌の乾燥を招いてしまいます。とくにゴシゴシと摩擦を起こしてしまうのはNG。バリア機能を低下させて、肌の乾燥を招いてしまいます。
次のように、摩擦が起きないように気をつけながら洗顔をしましょう。
- 肌をぬるま湯で予洗いします
- 泡立てネットを使い、少量の水を加えながらしっかり泡立てます
- Tゾーン→Uゾーンの順に洗います。その際、直接指が肌に触れないように、泡を転がしながら洗いましょう。
- ぬるま湯で丁寧にすすぎます。
- 肌触りの優しいタオルで、水分を押さえるように拭き取ります。
摩擦を軽減させたい方には、パックタイプの洗顔料もおすすめ。
洗顔料を塗るだけなので、余計な摩擦を軽減できますよ。
4-2.化粧水でうるおいを与える
洗顔が終わったら、すぐに化粧水でうるおいを与えます。
これは年代、肌質問わず、全ての人が行うべき基本の工程。
化粧水で、しっかり水分を角層に届けましょう。
洗顔後は、水分がどんどん蒸発していくので、間隔を空ける必要はありません。
すぐに化粧水をつけるようにしてください。
手に500円玉大の化粧水を出して、ハンドプレスしながら優しく肌に押し込んでいきましょう。
また、肌質や年齢に合わせた化粧水選びも大切なポイント。
肌が乾燥しやすい方は、保湿力の高い化粧水を選ぶなどして、お使いの化粧水が肌に合っているか、いま一度チェックしてみてくださいね。
中には、精製水ではなく、温泉水をベースにした化粧水もあります。
肌に優しく保湿力に優れているので、敏感肌や乾燥肌を改善させたい方にはおすすめです。
4-3.うるおいを保つ
化粧水のあとは、うるおいを保つ成分を。
おすすめは、保湿力の高い成分が配合された美容液です。
美容液は化粧水や乳液などに比べて高価なので、肌がうるおいに満ちている20代の方にとっては、マストアイテムではないかもしれません。
しかし30代以降は、肌のうるおいを保つ3大保湿因子が徐々に減少する年代。
バリア機能が低下して乾燥しやすくなるので、美容液を追加することで、よりうるおいのある肌を目指すことができますよ。
たとえば、セラミドオイル美容液は、30代、40代の乾燥肌の強い味方に。
セラミドは、肌にもともと存在し、水分をはさみ込んでキープしてくれる成分。
しかし、30代くらいから徐々に減りはじめ、50代では20代の約半分くらいになってしまうのです。
肌の乾燥や外部刺激が気になってきたら、ぜひ試してみてくださいね。
4-4.うるおいを閉じ込める
最後に、乳液やクリームでうるおいを閉じ込めます。
これは、乾燥肌や年齢肌の方はもちろん、20代の方でも、オイリー肌の人でも最低限行いたい工程です。
油分のあるもので蓋をすることで、水分の蒸発を防いであげましょう。
ただし、オイリー肌で毛穴が詰まりやすい方は、塗るパーツや量に配慮を。
とくに皮脂の多いTゾーンに油分のあるものを厚く塗ると、毛穴の詰まりやニキビの原因になってしまいます。Tゾーンはごく少量だけ塗布するなどして、うまく調整してあげてくださいね。
乾燥肌の方は、保湿力の高い乳液やクリームを。
とくに湿度が低い秋冬は、乾燥しやすい口元や頬を丁寧に保湿しましょう。
4-5.UVケア
日中はUVケアもお忘れなく。
年代、肌質に関係なく、紫外線は肌にダメージを与えます。
天候に関わらず、一年を通して日焼け止めを塗るようにしましょう。
紫外線の強い季節は、帽子や日傘など、アイテムを追加して肌を守り抜くことも大切です。
5. まとめ
今回は、化粧水だけのスキンケアについて、解説してきました。
化粧水は肌にうるおいを与える大切なアイテムですが、それだけでは不十分。
時間が経てば蒸発してしまうので、うるおいをキープしてくれる保湿成分が大切になります。
なかでもおすすめはヒト型セラミド。
私たちの肌にもともとあるセラミドとよく似た構造で、肌なじみがよく保湿力が抜群に優れています。
セラミドは加齢とともに減少してしまうので、30代以降の方はぜひチェックしてみてくださいね。
また、スキンケアの見直しや徹底したUVケアなども、乾燥肌の改善には不可欠です。
効果的なアイテムを正しく使い、肌を乾燥から守りましょう。