
エイジングケアに欠かせない成分として広く知られているレチノール。
しかし、使ってみたいけれど副反応が不安と感じている方や、実際に使っているけれど、なかなか効果を実感できないという方もいらっしゃいますよね。
そこで今回は、レチノールの効果が現れる目安期間や使用中に現れる肌の変化、正しい使い方や注意点を分かりやすく解説。
また、さまざまなレチノール製品を使ってきた私の体験談もご紹介します。
レチノールについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考になさってくださいね。
1. レチノールとは

レチノールとは、一体どのような成分なのでしょうか。
その概要をチェックしていきましょう。
1-1.ビタミンAの誘導体
レチノールはビタミンAの誘導体のひとつ。
とくにエイジングケアにおいて優れた効果を発揮します。
なかでも注目すべきは厚生労働省が認めた「しわ改善」の効果。
2002年に、レチノールを含む製品が医薬部外品として「しわ改善」を謳うことが正式に許可されました。これにより、レチノールは医薬部外品や化粧品に広く使用されるようになりました。
1-2.効果
レチノールの主な効果は以下の通りです。
・しわの改善
レチノールはコラーゲンの生成を促進するため、しわの予防や改善に役立ちます。
これにより、肌に弾力が生まれ、若々しい印象を保つことができます。
・肌のトーンアップ
古い角質が取り除かれることで、肌が明るくなり、くすみが改善されます。
これにより、透明感のある肌を目指すことができます。
・毛穴の目立ち
レチノールはコラーゲンの生成を促進し、肌を引き締める効果があります。
これにより、たるみによって広がった毛穴や皮脂分泌が原因で目立つ毛穴が目立ちにくくなります。
また、古い角質を取り除き、毛穴の詰まりを防ぐことで、毛穴周りの肌が滑らかになり、全体的な毛穴の目立ちが改善されます。
2.レチノールの効果が出るまでの期間

レチノールの効果が実感できるまでの期間は人によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月かかるとされています。
次のように、最初に使用を始めてから1?2週間は、肌に刺激を感じることがあるため、効果を実感するまでには時間が必要です。
2-1.つけはじめ
つけはじめて2~3日は、何も反応を感じないこともあります。
しかし、これには製品差や個人差があり、つけた直後にかゆみやひりつきを感じることもあります。
2-2.A反応が出やすい時期 (1~2週間)
レチノールを使い始めて1~2週間は、肌に刺激を感じたり、乾燥やかゆみ、赤みが出やすい時期。
これが「A反応」と呼ばれ、肌がレチノールに慣れる過程です。
皮むけが起こると化粧ノリも悪くなります。そのため大事なイベントがある時期に使用を始めるのは、避けた方がよいでしょう。
2-3. A反応が治まりやすい時期 (3~4週間)
使用開始から3~4週間は、A反応が収まりやすい期間。
肌のターンオーバーが正常化してくるため、この頃から肌が少しずつ明るく、滑らかになったと感じることが多くなります。
2-4.A反応が終了し、肌の変化を感じやすい時期 (1~3ヶ月以降)
1~3ヶ月以降は、徐々にしわやくすみ、毛穴の目立ちが改善され、エイジングケアの効果を実感しやすくなります。
3.レチノールの肌への影響と注意点

レチノールは、具体的にどのような肌への影響があるのでしょうか。
注意点とともに見ていきましょう。
3-1.初期のA反応
レチノール製品を使い始めた時期は、A反応と呼ばれる副反応が出ることがあります。
これは、レチノールが肌に与える刺激によって起こる反応で、最初のうちは次のような症状が現れることがあります。
・赤みやかゆみ
レチノールに敏感な肌では、赤みやかゆみを感じることがあります。
・皮むけ
肌のターンオーバーが活発化するため、古い角質が剥がれ、軽い皮むけが発生することがあります。これも自然な現象ですが、過度に皮がむける場合は使用頻度を減らすことを考慮しましょう。
・刺激感やヒリヒリ感
とくに敏感肌の方は、レチノールを使った直後にヒリヒリ感や刺激を感じることがあります。
この場合も、使用頻度を減らし、保湿をしっかり行うことが大切です。
ただし、全ての製品で現れる副反応が出るわけではなく、レチノールの配合量、使用頻度、肌質などによって差があります。
3-2. A反応への対策
では、A反応の症状をできるだけ緩和するには、どのように対策したらよいでしょうか。
具体的な対策を解説します。
・使用頻度
使用初期は一日置きにするなどして、使用頻度を下げて使うのがおすすめ。
それでも万が一A反応が強く出すぎてしまったら、一旦使用を中止しましょう。
その後、肌が落ち着いてきたら、週に2?3回から始め、肌が慣れてきたら徐々に頻度を増やしていくことをおすすめします。
不安な場合は、皮膚科やメーカーの窓口に相談してみてください。
・使用量
メーカーが推奨する量を守ることも大切。
なかなか効果が実感できない時も、むやみに量を増やすのはNG。
深刻なA反応が出る可能性もあるので、注意しましょう。
・使用タイミング
レチノールは紫外線の影響を受けやすいため、夜のケアに取り入れるのがおすすめ。
しかし、製品によっては朝も使用することができます。
メーカーに準ずるようにしてください。
塗り始めは夜だけにするなど、調整するのもよいでしょう。
・保湿
レチノール使用中は、いつも以上に入念な保湿が大切。
しっかりうるおいを与えてバリア機能を高めておくことで、レチノールによる刺激や乾燥を和らげることができます。
なかでも、セラミドや天然保湿因子など、肌のうるおいに欠かせない成分を補給してあげると効果的です。
また、スキンケアが終わった最後にレチノール製品を取り入れるなど、使う順番を意識することも、刺激の緩和につながります。
・UVケア
レチノール使用中は紫外線に対する感受性が高くなるため、日焼け止めを必ず使用することが重要です。
紫外線は、曇りや雨の日も降り注いでいるので、毎日塗りましょう。
また日焼け止めの効果は2~3時間と言われています。
そのため、こまめに塗り直しすることが大切。
メイクの上から日焼け止めを塗るのが困難な場合は、 UVスプレーヤー、UV効果のあるファンデーションやフェイスパウダーでメイク直しをするなどして、紫外線から肌を守りましょう。
・ビタミンCと併用すると刺激が強くなることも
レチノールとビタミンCの併用は、基本的に可能です。
しかし、刺激が強くなることも。
とくに肌が敏感な方は注意した方がよいでしょう。
また、メーカーによってはビタミンシーとの併用を禁止しているところもあります。
使用前にチェックしてみてくださいね。
4.さまざまなレチノールをトライした筆者の体験談

それでは、ここからさまざまなレチノール製品を試してきた私の体験談をお話したいと思います。
4-1.過去使用した製品
私は過去に以下のレチノール製品を使ってきました。
それぞれの詳しいレビューに関しては、リンクをご参照ください。
- キールズ 『DS RTN リニューイング セラム』
- cosrx 『RX ザ・レチノール0.1%クリーム』
- cosrx 『RX ザ・レチノール0.5%オイル』
- イニスフリー 『レチノール シカ リペア セラム』
- エリクシール シュペリエル 『エンリッチド リンクルクリーム S』
- 皮膚科で処方してもらったトレチノイン
4-2.体感的に効果を実感した期間
製品にもよりますが、効果を実感したのは使用してから1~2ヶ月ぐらいから。
A反応が落ち着いてから徐々に実感すると思います。
肌にハリが出たり、つるんとした明るい印象になっていきました。
4-3.レチノールの濃度
レチノールの濃度が少ないものから多いものまで、いくつか使ってみました。
やはり濃度の高いものの方が、効果を感じやすいと思います。
しかしA反応が出やすいのもたしか。
乾燥肌や敏感肌の方は、レチノール濃度の低いものを選ぶなどして、徐々に肌を慣れさせていくのがよいと思います。
4-4. A反応が出たときの対策
実際、A反応が出てしまったときは、次のような対策を行いました。
・使用量を減らした
A反応が出てしまったときは、使用量を減らしました。

通常の量がこちら。

反応がでたときは、このように3分の1程度にして様子を見ました。
肌が落ち着いてから元の量に戻すなどして、調整するとよいと思います。
・セラミド化粧品で入念に保湿をした
A反応が出た時、私が頼ったのはセラミド美容液。
皮むけにより肌が乾燥してしまったので、セラミド入りのオイル美容液でしっかり保湿を行ないました。
ちなみにセラミドはもともと肌にある成分。
バリア機能の要として働いているため、肌が敏感になっている時に有効な成分です。
いつもよりも入念な保湿を心がけることで、A反応が早く落ち着きました。
・メイクは控えめにした
A反応が出ているときは、メイクはほとんどしませんでした。
皮むけがひどかったので、ファンデーションがきれいに乗らないためです。
そのため、外出の予定がないときはノーファンデ。
どうしても外出しなければいけない時は、補正効果のある日焼け止めと、パウダーのみで乗り切りました。
・日焼け対策など
A反応が出ている最中も日焼け対策は必須。
日焼け止めはもちろんですが、サングラス、つばの大きい帽子、日傘など様々なアイテムを取り入れて、紫外線から肌を守りました。
5.まとめ
今回はレチノールの効果が実感できるまでの期間や注意点などを解説してきました。
レチノールには、皮むけや赤みなどA反応と呼ばれる副反応が起こることがあります。
そのような反応が起きたときは無理して使い続けずに、いったん使用を中止したり、使用量を減らすなどしてしっかり対応することが大切です。