角栓除去やニキビの芯出しに使われるコメドプッシャー。
あなたはお使いになったことがありますか。
ドラッグストアや100円ショップで手軽に手に入れられる身近なアイテムですが、「コメドプッシャーはよくない」と言う意見も多く見られます。
実際、コメドプッシャーは肌によくないのでしょうか。
そこで今回は、コメドプッシャーが肌によくないと言われる原因を解説。
併せて、できるだけ負担をかけない正しい使い方やアフターケアを紹介していきます。
コメドプッシャーを使おうか悩んでいる方は、ぜひ参考になさってくださいね。
Contents
1.コメドプッシャーとは
コメドプッシャーとは、一体どのようなアイテムなのでしょうか。
その概要をチェックしていきましょう。
1-1.コメドとは
コメドプッシャーの「コメド」とは、毛穴がつまったニキビの初期症状のこと。
古い角質や皮脂の分泌量が増えることで、毛穴の出口が狭くなった状態です。
コメドの内部では、ニキビの原因菌であるアクネ菌が増え始め、白ニキビや黒ニキビに。
この白ニキビや黒ニキビの状態をコメドと呼びます。
さらに進行すると、炎症を起こした赤ニキビ、化膿した黄ニキビに変化していきます。
1-2.コメドプッシャーとは
コメドプッシャーとは、角栓やニキビの膿を取り除くための棒状の道具。
一般的に多いのは、金属でできた器具。
棒の片側に小さなループや穴がついています。
これを肌に押し当てることによって、角栓やニキビの膿を除去します。
1-3.コメドプッシャーはオープンコメドに使う
コメドとひとえに言っても、2つの種類があります。
ひとつは毛穴が開いているオープンコメド。
もうひとつが、クローズコメドといって、毛穴が閉じた状態です。
コメドプッシャーが使えるのはオープンコメド。
クローズコメドは、表面に穴を開ける必要があり、セルフケアでは悪化させてしまうのでやめましょう。
2. コメドプッシャーはよくないと言われる理由
一般的に販売されているコメドプッシャーですが、なぜよくないと言われるのでしょうか。その理由を掘り下げていきましょう。
2-1.コメドか判断できない
コメドプッシャーはよくないと言われる原因のひとつが、誤判断。
コメドプッシャーはその名の通りコメドに使用できるものですが、そもそもそれがコメドなのか、さらにオープンコメドであるのかなど、判断しにくいことがあります。
コメドでない部分に使用してしまうと、肌を傷つけてトラブルを招く可能性も。
しっかり見極める必要があります。
2-2.炎症物質が周囲の肌に
コメドを押し出す段階で、炎症物質が周囲の健康な肌に広がってしまう可能性も大いにあります。
健やかな肌に炎症物質が広がると、ニキビが悪化。
赤みやへこみが残ってしまうこともあります。
クレーターになってしまうと、スキンケアでは改善が難しいのが実状。
美容皮膚科などで特別な治療が必要になります。
2-3.物理的な刺激
コメドプッシャーによって、物理的な刺激も加わってしまいます。
周囲の健やかな肌が摩擦を受けると、くすみやシミ、ニキビなどさまざまな肌トラブルの原因となるので注意が必要です。
またコメドプッシャー同様、ピンセットで角栓を取る方もいらっしゃいますよね。
ピンセットも周囲の肌を傷つけてしまうので、おすすめはできません。
2-4.不衛生な器具による肌へのダメージ
コメドプッシャーの衛生状態も注意したいポイント。
不衛生な器具を使用してしまうと、菌が混入して、ニキビが悪化。
深刻な肌トラブルに発展する可能性があるので気をつけましょう。
ちなみに、コメドプッシャーのように積極的にニキビを改善しようとする器具がある一方で、角栓は自然に取れるまで待つという「角質培養」という美容法もあります。
しかし、角質を適切にケアすることは、ニキビ予防には大切。
のちほど、ニキビを予防するケアについても触れていきますので、ぜひ参考になさってください。
3.コメドを除去したい場合は皮膚科へ
以上のように、多くのリスクを伴うコメドプッシャー。
悪化すると、逆にニキビの進行を招いて、赤みやへこみが残ってしまう可能性もあるのであまりおすすめできません。
そのため、コメドをケアしたい場合は、皮膚科へ行くのが近道です。
「コメドの状態で皮膚科に行くなんて恥ずかしい」と思われるかもしれませんが、コメドの状態で未然に防ぐことは、悪化を防ぐための最善策。
保険診療でできる治療もありますので、迷ったらまず、相談してみてくださいね。
4.コメドプッシャーの正しい使い方
以上のように、基本的にはおすすめできないコメドプッシャー。
しかし、どうしても使ってみたいという方もいらっしゃいますよね。そのような方のために、ここから正しい使用方法をご紹介します。
4-1.コメドプッシャーの選び方
まずはできるだけ肌に負担をかけないコメドプッシャーを選ぶことが大切。
一般的に多く見られる細いワイヤーが輪になっているものは、肌を傷つけやすいので要注意。
厚みがあり、丸く穴が空いているものの方が、肌を傷つけにくいので、そのような器具を選びましょう。
4-2. コメドプッシャーの頻度
コメドプッシャーの使いすぎは、絶対にNG。
にゅるにゅるっと出てきて、気持ちがいいため、くせになってしまう方もいらっしゃいますが、やり過ぎる肌に負担がかかりダメージを与えてしまいます。
どうしても使いたい場合は、月1~2回程度にしましょう。
4-3. コメドプッシャーの使い方
できるだけ肌に負担をかけないコメドプッシャーの使い方は、次のとおりです。
・コメドプッシャーを消毒する
使用する前にコメドプッシャーを消毒しましょう。
不衛生な状態で使ってしまうと、悪化する可能性があります。
・肌を清潔に
肌を清潔にしてから行うことも大切。
洗顔後、清潔なタオルで水分を拭き取ってから行いましょう。
・肌をやわらかくしてから
肌を柔らかくしてから行うのもポイント。
肌が硬い状態で行うと、ダメージを受けやすくなってしまいます。
入浴後や、蒸しタオルで肌を温めたあとに行うとよいでしょう。
・軽い力で
できるだけ軽い力で押すことも大切。
なかなか出てこなくて、強い力で押してしまうと肌を傷つけてしまいます。
コメドが出てきたら、リングを清潔なコットンで取り除きます。
4-4. アフターケア
コメドプッシャーを使用した後のケアも大切。
次のような方法で、アフターケアを行いましょう。
・肌のアフターケア
コメドを取り除いた部分は、再度軽く洗顔をします。
その際、ゴシゴシせず、やさしく洗いましょう。
・保湿
洗顔後は、必ず保湿を行います。
肌を乾燥させないように、速やかに保湿をしましょう。
その際、化粧水のパッティングをすると刺激になってしまうのでNG。
清潔な手かコットンで、やさしく塗布してください。
こちらの記事にて、大きな角栓が取れたときのアフターケアについて詳しく解説しております。
併せてチェックしてみてくださいね。
・器具のアフターケア
器具のアフターケアも忘れてはいけません。
使用した後のコメドプッシャーには、コメドが付着しているので、しっかり消毒をして、清潔な状態で保管しておきましょう。
5.コメドができにくい肌にするスキンケア
以上のように非常に注意点の多いコメドプッシャー。
できれば、コメドプッシャーを使う必要がない状態にしておきたいですよね。
そこでコメドを予防するスキンケアについて解説します。
5-1.洗顔
コメドを予防するためには、やはり毎日の洗顔が大切。
余分な皮脂や古い角質を毎日の洗顔で取り除くことで、コメドができにくい肌になります。
・1日2回
しかし、洗いすぎはNG。
とくに皮脂をしっかり洗い流そうとゴシゴシすると肌にダメージを与えてしまいます。
摩擦が起きると、肌は内部を守ろうと角層を厚くするため、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができやすい肌になってしまうのです。
たっぷりの泡で摩擦が起こらないように、やさしく洗いましょう。
・酵素やクレイの洗顔
酵素やクレイの洗顔を取り入れるのもおすすめ。
酵素は毛穴に詰まった皮脂や古い角質を分解してくれます。
クレイは吸着力が高いのが特徴。汚れを除去しやすくなります。
ちゃんと洗顔しているのに、すぐに角栓ができてしまうという方は、週1程度のスペシャルケアとしてでもいいので、酵素やクレイの洗顔を検討してみてくださいね。
5-2.保湿
ニキビ予防には保湿も欠かせません。
しっかり保湿を行って、バリア機能が正常に働く角層を育てることが大切です。
・皮脂が多い方
皮脂が多い方はノンコメドジェニック化粧品がおすすめ。
ノンコメドジェニック化粧品は、アクネ菌のエサになりやすい成分が含まれていないため、ニキビができにくくなります。
また皮脂を抑制するビタミンCが配合された化粧品を取り入れるのも有効です。
・乾燥しやすい方
肌が乾燥しやすい方は、セラミド化粧品を取り入れるのもおすすめ。
セラミドはもともと私たちの肌にある成分で、肌のうるおいに欠かせない成分。
セラミドが不足していると肌は乾燥。肌は乾燥しすぎると。内部を守ろうと過剰な皮脂分泌を引き起こすため、それがニキビの原因になることもあります。
6.まとめ
今回は、賛否両論あるコメドプッシャーについて解説してきました。
コメドプッシャーは、角栓の除去やニキビの芯出しに使われる器具。
ニキビを悪化させる可能性があるので、基本的にはおすすめはできません。
ニキビを繰り返してしまう場合は、ぜひ皮膚科で相談して、適切な治療を受けてくださいね。
また今回、コメドができにくくなるためのスキンケアもご紹介しました。
コメドプッシャーで肌にダメージを与える前に、ぜひ正しいケアでニキビができにくい肌を目指しましょう。