ミネラルオイル(鉱物油)の危険性とは?肌荒れの可能性やワセリンとの違いに迫る!

さまざまな化粧品に使用されている「ミネラルオイル」。

「ミネラル」という響きから肌によいイメージも浮かびますが、一方で「ミネラルオイルフリー」や「鉱物油不使用」といったように、ミネラルオイルを含んでいないことをアピールしている化粧品を目にします。

実際、ミネラルオイルは肌に悪いものなのでしょうか!?

今回は、そんなミネラルオイルの危険性についてリサーチ。
ミネラルオイルは肌に有害なのか、使用上の注意点はないのかなど、詳しく解説していきたいと思います。

  • そもそもミネラルオイルって何?
  • ミネラルオイルで肌荒れするってホント?
  • ミネラルオイルはどんな化粧品に使われている?
  • ミネラルオイルとワセリンの違いがわからない!
  • ミネラルオイルが入っているか、どうやって見分けるの?

このような疑問をお持ちの方は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.ミネラルオイルとは

ミネラルオイルとは

そもそもミネラルオイルとは、一体どのようなものなのでしょうか?
その概要をチェックしていきましょう。

1-1.原料は石油

ミネラルオイルとは、石油を精製して得られる炭化水素の混合物。

地中から採取された原油を精製して「石油」ができます。
この石油でプラスチックなどのさまざまな製品が作られますが、その際に出るのが「廃油」。

この廃油を精製して、不純物を取り除いたものが「ミネラルオイル」なのです。

1-2.化粧品にも多用される油性成分

石油と聞くと肌に悪いようなイメージが浮かびますが、実は安全な成分。
なかでも化粧品に使われるミネラルオイルは「化粧品グレード」以上に分類されるもので、非常に精製度が高いのが特徴です。

医薬部外品では「流動パラフィン」と表示されており、その他「鉱物油」などと呼ばれることもあります。

1-3.ミネラルオイルが使われている化粧品

ミネラルオイルはさらっとしたテクスチャーで、無色透明の液状の成分。
次のようなさまざまな化粧品に使われています。

・基礎化粧品

  • 乳液
  • クリーム
  • クレンジング
  • 日焼け止め
  • メイクアップ化粧品

メイクアップ化粧品

  • 口紅
  • グロス
  • ファンデーション
  • アイシャドウ

2.ミネラルオイルが多くの化粧品に使われる理由

なぜミネラルオイルは多くの化粧品に使用されているのでしょうか。
それは、ミネラルオイルには次のようなメリットがあるからです。

2-1.安価

廃油を精製して作られるミネラルオイルは、リーズナブル。
希少な植物オイルに比べて手に入りやすく、多くの化粧品に使われています。

2-2.酸化しにくい

また酸化しにくいのもミネラルオイルの魅力のひとつ。

植物オイルの中には、酸化しやすくデリケートなものもありますが、ミネラルオイルは酸化しにくいので長期保存が可能です。

2-3.乳化しやすい

ミネラルオイルは乳化しやすいという特徴があります。
そのため、乳液やクリームに多く使われています。

2-4.肌に浸透せず、よく伸びる

ミネラルオイルは、肌に浸透しません。肌の上でよく伸びて、さらに落ちにくいという特性があり、ファンデーションや日焼け止めにも使われやすい構造をしています。

2-5.テクスチャーを良くする

ミネラルオイルはさらっとしたテクスチャー。
ドロドロして広がりにくい成分を均一に伸ばしやすくするなど、化粧品のテクスチャーを改善する効果もあります。

3.ミネラルオイルの効果効能

ミネラルオイルの効果効能

以上のようにさまざまなメリットを持つミネラルオイル。
私たちの肌には、どのような効果をもたらしてくれるのでしょうか。

それは、「エモリエント効果」です。

ミネラルオイルは、私たちの皮脂とはかなり違う構造をしており、肌に浸透することがありません。
そのため皮脂膜のように肌をコーティングして、水分の蒸発を防止。
肌を柔軟に整えてくれます。

4.ミネラルオイルは肌に悪いの?

ミネラルオイルは肌に悪いの?

以上のようなメリットを持つミネラルオイル。
一方で、なぜ「ミネラルオイルフリー」や「鉱物油不使用」などと謳われている製品があるのでしょうか。その理由を解明していきましょう。

4-1.精製技術が低い時代があった

近年、目まぐるしい成長を遂げている精製技術。
しかし数十年前、まだ精製技術が低い時代がありました。

過去に不純物がしっかり取り除かれていない状態のミネラルオイルが化粧品に使われており、1970年代には色素沈着などの肌トラブルを起こした事例があったようです。

「ミネラルオイルを塗ったら、紫外線に当たってはいけない」
などと言われていたことも。

4-2.現在、流通しているミネラルオイルは安全

しかし精製技術は日々進化。
現在流通しているミネラルオイルやワセリンは、肌に害を与えることはなく、安心して使うことができるように改良されています。

その安全性がわかる一例として挙げられるのが「ベビーオイル」。
赤ちゃんのマッサージや保湿に使用される身近な製品ですが、実は主成分がミネラルオイルなんですよ。

デリケートな赤ちゃんの肌にも使えほど、ミネラルオイルは高純度だということがわかりますね。

またミネラルオイルは低刺激でありながら、水分の蒸発を防ぐ効果があるので、医療の現場でも使用されることも。

赤ちゃんのスキンケアや医療の現場で使用されることからもわかるように、現在のミネラルオイルに危険性はないのです。

5.ミネラルオイルの弱点

ミネラルオイルの弱点

以上のような効果効能から、あらゆる化粧品で重宝されているミネラルオイル。
しかし、次のようなウィークポイントも併せ持っています。詳しくチェックしていきましょう。

5-1.スキンケア効果のある栄養はない

ミネラルオイルには、有効成分が含まれていません。

水分の蒸発を防ぐ効果はありますが、植物オイルに含まれる「オレイン酸」や「リノール酸」などのように肌の栄養になる成分はないのです。

そのため、大きな美肌効果は期待できないでしょう。

製品によっては、ミネラルオイルに植物オイルをブレンドしたものもあるので、気になる方は成分をチェックしてみてくださいね。

5-2.良くも悪くも膜をはるだけ

またミネラルオイルは、良くも悪くも膜を張るだけ。

水分の蒸発を防ぐことはできますが、肌に浸透することがないので、肌自体の水分量をアップさせることはできません。

肌の水分量をあげたいのであれば、化粧水でしっかり保湿して、その後乳液やクリームで蓋をしましょう。保水力の高いセラミド配合の化粧品もおすすめです。

5-3.べたつきが残る

ミネラルオイルは、非常に密着性が高い成分。

その特性から肌に残りやすく、べたつきを感じることがあります。
とくに塗る量が多すぎると、べたついて毛穴を塞いでしまうことも。

毛穴が詰まると、毛穴の黒ずみやニキビを引き起こす可能性も考えられます。

ミネラルオイルを含んだ化粧品に限ったことではありませんが、夜はクレンジング&洗顔をして、肌の汚れをしっかり落としておきましょう。

5-4.脱脂力が強い

ミネラルオイルは、非常に脱脂力の強い成分。

油性のメイクアップ化粧品となじみやすいのはメリットでもありますが、必要な皮脂まで奪ってしまう可能性も。

メイクが薄い日はミルククレンジング、乾燥肌の人は植物オイルがベースのクレンジングオイルにするなどして、調整することをおすすめします。

6. ミネラルオイルとワセリン

ミネラルオイルとワセリン

同じく石油を原料とした成分で、「ワセリン」がありますよね。
いずれも身近な化粧品のひとつですが、どのような違いがあるのでしょうか。比較してみましょう。

6-1.ミネラルオイルとワセリンの違い

ミネラルオイルとワセリンには、いくつかの違いがあります。

まずは、状態。
ワセリンはとろっとした半固形の成分であり、ミネラルオイルは液状の成分です。

またワセリンは固形パラフィンと流動パラフィンでできているのに対し、ミネラルオイルは流動パラフィンでできています。

6-2.共通していることもたくさんある

またミネラルオイルとワセリンは、共通していることも多くあります。

いずれも石油から精製されたもので、安定性が高く、低刺激。
医療の現場や赤ちゃんのスキンケアにも使われるほど、肌にやさしい製品です。

一方で、肌に浸透せずに、膜を張って水分の蒸発を防ぐ効果も共通するポイント。
特別な美肌成分は配合されていませんが、エモリエント効果は期待できます。

7. それでもミネラルオイルの安全性が気になる方は

それでもミネラルオイルの安全性が気になる方は

現在、流通しているミネラルオイルは安全性が高いのが事実。
それでも過去に肌トラブルを起こしたミネラルオイルを使うのは不安……と思う方もいらっしゃいますよね。

そのような方は次の方法をおすすめします。

7-1.パッチテストを行う

ミネラルオイルの安全性が不安な方は、パッチテストを行うことをおすすめします。

パッチテストとは、皮膚炎が起こらないことを確認するためのテスト。
前腕もしくは上腕、背部など、紫外線の当たらないところに塗布して、24時間後と48時間後にその反応を肉眼でチェックします。

ミネラルオイルに限らず、このようなテストを事前にしておくことで肌トラブルを回避できます。とくに敏感肌で、赤みやかゆみなどの肌トラブルが出やすい方は、トライしてみてくださいね。

7-2.ミネラルオイルが入っていないものを使う

ミネラルオイルを配合していない製品を、あえて選ぶのも一手。
製品の見分け方は、次のようにいくつかあるので参考にしてみてくださいね。

  • 「ミネラルオイルフリー」や「鉱物油不使用」などの記載がある製品
  • 「ミネラルオイル」「流動パラフィン」「鉱物油」などの記載がない製品
  • ホホバオイルやアルガンオイルなどの植物オイルをベースにした製品

8. まとめ

今回は、ミネラルオイル(鉱物油)の危険性について、解説してきました。

石油を精製して製造されているミネラルオイル。
過去に精製技術が発達していない時代に、色素沈着などの肌トラブルを起こしたことがありました。

しかし現在流通しているミネラルオイルは、精製技術も向上しており、安全にお使いいただけます。
心配な方はパッチテストを行ったり、ミネラルオイルフリーの化粧品で代用するなどして、対応してみてくださいね。

エモリエント効果などうれしい作用が得られる一方で、美容成分がないことやべたつきが残るなどのウィークポイントも。メリットとデメリットを理解した上で、取り入れていきましょう。

 


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