洋食化した現代の食卓にすっかりおなじみの「オリーブオイル」。
近年では味わいの高さだけでなく、健康効果にも注目が集まっていますよね。
そんなオリーブオイルですが、スキンケアにも使えるのをご存じでしょうか。
ホホバオイルやアルガンオイルのように、いろいろなスキンケアができる万能オイルなんですよ♪
「じゃあ、台所で余ってるオリーブオイルを使っちゃおう！」
そう思った方はちょっと待って！スキンケアに使うには、いくつか注意が必要なんです。
その理由も含めて、今回はオリーブオイルのスキンケアについて詳しく解説していきたいと思います。
- 食用のオリーブオイルを顔に塗ってもいいの？
- オリーブオイルをスキンケアに使うとどんな効果があるの？
- オリーブオイルはヘアケアにも使えるの？
- 食用のオリーブオイルにはどんな健康効果があるの？
このようにお考えの方は、ぜひお読みくださいね！
1.オリーブオイルとは
まずはオリーブオイルとは一体どのようなものなのか、改めてチェックしておきましょう。
1-1.オリーブオイルとは
オリーブオイルとは、オリーブの果実から採取される植物油です。
ヨーロッパでは古くから栽培されており、食用や美容用として親しまれてきました。
世界中に広まったオリーブオイルは、今や日本の食卓にも欠かせないアイテムになっていますよね。
ちなみに日本で販売されている食用のオリーブオイルは主に次の2種類。
- エキストラバージンオリーブオイル
- ピュアオリーブオイル
エキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの果実を搾ってろ過しただけのオイル。栄養が豊富に含まれており、風味も豊かです。
一方ピュアオリーブオイルは、エキストラバージンオリーブオイルの基準に満たないオリーブオイルを精製加工した「精製オリーブオイル」とバージンオリーブオイルをブレンドしたもの。
エキストラバージンオリーブオイルに比べて、栄養や風味が劣ります。
1-2.スキンケアにも使える！ただし美容用を
「じゃあ、エキストラバージンオリーブオイルなら顔に塗ってもいいの？」
そう思ってしまいそうですが、それはおすすめできません。
オリーブオイルには、食用のオイルと美容用のオイルがあります。
食用のオリーブオイルと美容用のオリーブオイルは、使用目的も製造工程も異なります。
食用のオリーブオイルは、食べることを目的として製造されているので、美味しさに繋がる苦みや香りが大切にされています。
一方、美容用のオリーブオイルは、肌に塗ることが前提で製造されています。
肌に負担となる細かい繊維や不要な香りは除去されて、より肌に心地いい使用感になっているのです。
たとえエキストラバージンオリーブオイルでも、食用のオリーブオイルは肌トラブルを起こす可能性があります。
顔はもちろん、髪やボディに使う際も、美容用のオリーブオイルを使うようにしましょう。
1-3.アボカドオイルとの違い
健康効果が高く、美容にも使えるオイルとして、アボカドオイルも注目を集めていますよね。
オリーブオイルもアボカドオイルも、加熱調理ができる、全身のスキンケアに使える、などの共通点があります。
一方、色や香り、有効成分などには違いが見られます。
こちらの記事で詳しく比較しておりますので、併せてチェックしてみてくださいね。
2.オリーブオイルの美容効果
オリーブオイルにはどのような美容効果があるのでしょうか。
スキンケアでの美容効果と、食用での美容効果をそれぞれチェックしてみましょう。
2-1.スキンケアでの美容効果
オリーブオイルをスキンケアに使うと、次のような効果が期待できます。
・肌を保湿する
オリーブオイルは、肌を保湿する効果があります。
その効果をもたらしてくれるのは、オリーブオイルの約70～80％を占めているオレイン酸。
人の皮脂にも含まれており、肌をしっとりさせる効果があります。
またオリーブオイルに微量に含まれているスクワレンも、保湿力の高い成分です。
・肌を柔らかくする
オリーブオイルは、肌を柔らかくする効果もあります。
その作用をもたらしてくれるのも、オリーブオイルに含まれているオレイン酸やスクワレン。
ゴワついている肌を、しっとり柔らかくする作用があります。
・抗酸化作用
またオリーブオイルには、ポリフェノール、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンCなど、抗酸化作用のある成分が含まれています。
これらの成分は、肌の酸化を引き起こす活性酸素を除去する効果があります。
活性酸素は、しわやしみ、たるみなどの肌老化を引き起こす原因のひとつ。
肌の酸化を最小限に食い止めることは、肌を老化させないためには必要不可欠なのです。
2-2.食用としての美容効果
加熱調理ができるオリーブオイルは、料理にも大活躍。
食用としてのオリーブオイルは、次のような効果が期待できます。
・悪玉コレステロールを減らす効果
食用のオリーブオイルの効果として、まず挙げられるのが悪玉コレステロールを減らす効果。
コレステロールには、善玉コレステロールと悪玉コレステロールがあります。
悪玉コレステロールが増えて酸化すると、血管内壁にコレステロールが付着。
血管が塞がれ、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こします。
一方、善玉コレステロールは、血管内にある過剰なコレステロールを回収する役割があります。
オリーブオイルに豊富に含まれるオレイン酸は、善玉コレステロールを減らすことなく、悪玉コレステロールだけを減らすという優れた効果があるのです。
「それって、美容効果というよりは、健康効果じゃないの？」
そう思った方もいらっしゃるかもしれませんが、美と健康は切っても切り離せない関係。
もし悪玉コレステロールの増加により血管が狭くなったり、硬くなってしまえば、血行が悪くなります。
血行が悪くなれば、肌はくすみ、健やかな肌を作るための栄養もスムーズに運ばれません。
血管を健やかに保つことは、美肌を作る上で欠かせない要素なのです。
このようなことから、オレイン酸を豊富に含むオリーブオイルは、美容面にもうれしい効果をもたらしてくれると言えます。
・便秘改善効果
オリーブオイルは、便秘解消効果も期待できます。
その秘密は、オリーブオイルに豊富に含まれるオレイン酸。
オレイン酸は小腸で吸収されにくい特徴があり、大腸に運ばれる際に蠕動運動を促す作用があります。（※蠕動運動とは、便を前に進ませる働きのこと）
便秘の改善は、美肌作りに欠かせません。
便が溜まっていると有害物質が排出されずに、血行も悪くなり、肌荒れを引き起こしてしまうのです。
便秘気味の方は、1日大さじ1杯のオリーブオイルを摂取して、スムーズな排便を目指してみてはいかがでしょうか。
・抗酸化作用
先述したように、オリーブオイルにはポリフェノール、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンCなど抗酸化作用のある成分が含まれています。
食事で摂取することでも、それらの成分の効果を享受することができ、健康面にも美容面にもうれしい効果を与えてくれます。
3.オリーブオイルのスキンケア方法
オリーブオイルは、次のようにさまざまな用途でスキンケアに使えます。
3-1.クレンジング剤として
オリーブオイルは、クレンジング剤として使うことができます。
化粧品は油分でできているので、同じく油分であるオリーブオイルとなじみやすいのです。
ただし、オリーブオイルには、すすぎがしやすくなる「界面活性剤」は含まれていません。
そのため、メイクが浮いてきたらティッシュやタオルなどで拭き取る必要があります。
（摩擦が起きないように、やさしく押さえるようにして拭き取りましょう。）
その後、洗顔をして残った汚れとオイルを洗い流しましょう。
拭き取るのが面倒な方は、オリーブオイルを配合したクレンジング剤もおすすめです。
3-2.化粧水のあとの保湿剤として
オリーブオイルは、化粧水のあとの保湿剤としても使うことができます。
オリーブオイルに含まれているオレイン酸は、肌をしっとりさせてくれる成分。
さらに、オリーブオイルに含まれているスクワレンは、お肌を柔らかくしたり、膜となって水分の蒸発を防ぐ効果が期待できます。
乾燥肌の私もオリーブオイルを取り入れてみたいと思い、こちらを化粧水のあとに塗布してみました。
岡田美容オイル オリーブスクワラン100%
オリーブオイルそのものではなく、オリーブオイルのスクワレンの美容オイルです。
サラッとした透明のオイル。香りもありません。
べたつかず、スーッと肌になじみます。夏の皮脂が多い時期にも、安心して使えそうでした。
オリーブオイルそのものでもOKですが、このように使いやすく加工されたオイルを取り入れてみるのも一手だと思います。
3-3.毛穴の黒ずみに
オリーブオイルは、毛穴ケアをすることも可能！
洗顔後の清潔な肌に行います。
- 毛穴の黒ずみが気になる部分に、オリーブオイルを塗布します
- 小さめにカットしたラップをかぶせて、5分程放置します
- ラップを外して、毛穴が気になる部分を綿棒でやさしくなでます
（綿棒を垂直に持つと、刺激が強くなってしまいます。水平に持ち、やさしくなでてください） - 洗顔をして、オイルと汚れをオフします
毛穴パックや酵素洗顔ほどの効果はないのですが、黒ずみにやさしくアタックできますよ。
やりすぎると、肌が乾燥して余計な皮脂分泌を促してしまうことになるので、週1程度のスペシャルケアとして取り入れてみてくださいね。
3-4.ボディケアに
オリーブオイルは、顔だけでなくボディにも使えます。
- 乾燥する手指
- 角質肥厚で固くなってしまったひじ、ひざ、かかと
- 年齢が出やすいデコルテ
など、いろいろな部分のケアに使ってみてくださいね。
4.オリーブオイルのヘアケア方法
オリーブオイルは、次のようにヘアケアにも取り入れることができます。
4-1.アウトバストリートメントとして
まずご紹介したいのが、アウトバストリートメントとしての使い方。
シャンプー後、タオルドライした後の髪にやさしくなじませてからドライヤーをかけます。
ドライヤーの熱から髪を守ってくれますよ。
4-2.頭皮のマッサージに
シャンプー前の頭皮マッサージもおすすめ♪
頭皮に適量のオリーブオイルを垂らして、指の腹でやさしくマッサージします。
その後、5～10分程度放置して、シャンプーして洗い流します。
頭皮の血行がよくなり、健やかな髪を目指すことができますよ。
4-3.パサつきがちな毛先の保湿に
パサつきがちな毛先にオリーブオイルをなじませると、しっとりしてまとまりやすくなります。
トップに塗布するとべたついて見えるので、毛先を中心になじませるようにしましょう。
5.オリーブオイルを使ったスキンケアの注意点
オリーブオイルを使ったスキンケアには、いくつか注意点があります。
併せてチェックしておきましょう。
5-1.美容用のオリーブオイルを
先述したように、オリーブオイルには、食用と美容用があります。
肌トラブルを防ぐために、スキンケアやヘアケアには、美容用のオリーブオイルを使いましょう。
5-2.ニキビがある人は要注意
ニキビのある方がスキンケアにオリーブオイルを取り入れるのは要注意。
オリーブオイルの70～80%を占めるオレイン酸は、ニキビの原因菌であるアクネ菌のエサとなるのです。
とくに、思春期ニキビやもともとオイリー肌でニキビができやすい人は、ニキビを悪化させる可能性があるので注意しましょう。
5-3.保水力はない
オリーブオイルは保湿力抜群！
しかし、あくまで油分ですので保水力はありません。
化粧水をしっかり塗布してから、オリーブオイルを塗ることで、水分の蒸発を防ぐことができます。
オリーブオイルを使う際も、化粧水は省かないようにしましょう。
6．まとめ
今回は、私たちの食卓に馴染み深いオリーブオイルについて、詳しく解説してきました。
オリーブオイルは、食用として広く使用されていますが、スキンケアやヘアケアにも使うことができます。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸やスクワレンは、肌をしっとり柔らかくしてくれる効果があります。
オリーブオイルを顔に使うことで、こうした美容効果を得ることができますよ。
ただし、その際に注意したいのは美容用であるかどうか。
オリーブオイルは、食用と美容用があり、それぞれ製造工程が違います。
食用のオリーブオイルは、肌トラブルを引き起こす可能性もあるので、スキンケアは美容用のオリーブオイルで楽しみましょう。
