レチノールとビタミンCは併用しちゃダメ?塗る順番や相性のいい成分を紹介
医薬部外品の有効成分として近年大注目を集めているレチノール。
各メーカーがしのぎを削って、製品化に取り組んでいます。
しわやしみ、くすみなど気になるエイジングサインにアプローチしてくれるレチノールですが、「ビタミンCとは併用できない」という声を耳にします。
ビタミンCといえば、言わずと知れた美肌のビタミン。
レチノールもビタミンCもどちらも使いたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、レチノールとビタミンCの併用にクローズアップ。
レチノールとビタミンCは併用出来るのか、効果が薄れてしまうのかなど気になる疑問について詳しく解説していきます。
  • ビタミンCとレチノールは併用していい?
  • レチノールとビタミンCは、どっちを先に塗る?
  • レチノールとダメな組み合わせは?
  • 朝はビタミンC、夜はレチノールってどういう意味?
  • レチノール製品のダブル使いはしていい?
以上のような疑問をお持ちの方は、ぜひ参考になさってくださいね。

1.結論:レチノールとビタミンCは併用できる

レチノールとビタミンCは併用できる
結論からお伝えしますと、レチノールとビタミンCは併用できます。
その理由は、次のとおりです。

1-1. 適正なpHが違うだけ

「レチノールとビタミンCは相性が悪い」と言われますが、それは、それぞれに適正なpHが違うということ。適正なpHが違うため、ひとつの製品に両者を配合するのは難しい、というだけなのです。
これは、化粧品を作る時点の問題であって、すでに製品化された化粧品を併用する分には問題ありません。
むしろ、それぞれの違う美肌効果が期待できるため、上手に組み合わせることによって美しい肌を目指すことも可能だと言えるでしょう。

1-2.効果を打ち消し合うわけではない

また「レチノールとビタミンCを一緒に使うと、効果を打ち消し合ってしまう」という声もあります。これは両者の適正なpHが違うことからそのように考えられたようですが、それも早合点。
レチノールは油に溶けやすい油溶性。ビタミンCは水に溶けやすい水溶性成分なので、そもそもベースが違い、効果を打ち消し合ってしまうわけではないのです。

2.レチノールとビタミンCの効果

レチノールとビタミンCの効果
以上の理由で、併用することができるレチノールとビタミンCですが、それぞれどのような効果があるのでしょうか。チェックしていきましょう。

2-1.レチノールの効果

レチノールには次のような効果が期待できます。

・シミの予防

レチノールに期待できる効果として、まず挙げられるのがシミの予防。
レチノールは、角質層のターンオーバーを促進する効果があります。
古い角質を除去して新しい細胞を生成するサポートをしてくれるので、シミの原因となるメラニンを含んだ細胞もスムーズに排出され、シミの予防に効果が期待されます。

・しわの改善

レチノールは、しわ改善効果も認められています。
真皮層にはコラーゲンやエラスチンなど、肌のハリや弾力を司る成分がありますが、レチノールは、それらの働きをサポート。
コラーゲンやエラスチンが活性化することでしわ改善効果が期待されます。
レチノールの効果については、こちらの記事にて詳しく解説しております。併せてチェックしてみてくださいね。

2-2.ビタミンCの効果

一方で、ビタミンCの効果は次のとおりです。

・抗酸化作用

ビタミンCは、抗酸化作用のある成分。
酸素や紫外線によって発生した活性酸素は、健やかな肌にもダメージを与え、それが肌老化の原因となります。
抗酸化作用のあるビタミンCを塗布することで、活性酸素によるダメージから肌を守ります。

・コラーゲンの合成をサポート

ビタミンCは、コラーゲンの合成を促進する効果も期待できます。
コラーゲンがスムーズに合成されると、肌にハリや弾力がもたらされるでしょう。

・メラニンの生成を抑制

ビタミンCは、メラニンの過剰な生成を抑制する効果も期待されます。
それによりシミが目立ちにくい肌を目指すことができるでしょう。

3.製品によっては注意が必要

製品によっては注意が必要
以上のように、それぞれ優れた効果が期待できる。レチノールとビタミンC。
基本的に併用は可能ですが、製品によって注意点もあります。

3-1.一部の製品で、NGが出ている

レチノールとビタミンCは、製品によっては、併用をおすすめされていない場合があります。
たとえば、キールズのレチノール美容液。
重ね使いOKのビタミンCアイテムとNGのアイテムがあると、メーカーが公式に回答しています。
とくに高濃度で配合されているビタミンC美容液とレチノールの併用に関しては、使う順番や使うタイミングに関して、メーカーが言及されています。
こちらの記事にてキールズからの回答なども載せておりますので、キールズのレチノール美容液をお使いの方はぜひチェックしてみてくださいね。

3-2.刺激を感じる可能性も

またレチノールもビタミンCも、高濃度で配合されている場合、肌への刺激を感じる場合があります。
「両者を同時に併用することで、刺激が強まる」というわけではありませんが、刺激を感じやすい方は低濃度のものから始めるなどして調整が必要です。

4.レチノールとビタミンCの正しい併用の仕方

レチノールとビタミンCの正しい併用の仕方
それではここからレチノールとビタミンCの正しい併用の仕方について解説していきます。

4-1.順番

レチノールとビタミンCを併用する場合、ビタミンCを先にレチノールを後に使うのがおすすめ。
これには、次の2つの理由があります。

・A反応を抑えられる

レチノールを塗るとA反応と呼ばれる、副反応が起こることがあります。
赤みやひりつき、皮ムケなどの症状があり、その症状は製品や個人によって差があります。
ビタミンCを先に塗ることで、レチノールが肌にダイレクトに伝わるのを回避し、反応を抑えられると考えられます。

・ビタミンCの浸透を高める

ビタミンCは、pHの観点から酸性の環境で吸収されやすいという特性があります。
弱酸性である肌に、ビタミンCを先に塗ることで、肌のpHを下げて、効果的に吸収させることができると考えられます。

4-2.朝にビタミンC、夜にレチノールという使い分けもおすすめ

併用が気になる場合は、朝にビタミンC、夜にレチノールと、使うタイミングを分けるのもおすすめ。
それには次のようないくつかの理由があります。

・レチノールは紫外線に当たると不安定になる

レチノールは紫外線に当たると不安定になるという特性があります。
紫外線に当たってレチノールが分解されたり、変性することで、せっかくの効果が薄れてしまったり、肌への刺激が強まってしまう可能性が。
日焼け止めを使えば問題ないと言われている製品がほとんどですが、あえて朝に使わず、夜だけにすることによって、リスクを下げることができます。

・レチノールはターンオーバーの促進をサポートする

レチノールは、ターンオーバーの促進をサポートするという効果があります。
このターンオーバーが活発になるのが、睡眠中。
寝ている間に、肌の修復に関わる成長ホルモンが大量に分泌されます。
そのため、夜寝る前にレチノールを塗ることで、よりスムーズに効果を発揮できると考えられます。

・ビタミンCは、抗酸化作用がある

ビタミンCに抗酸化作用があるという点も、理由のひとつ。
抗酸化作用があるビタミンCを朝に塗ることによって、紫外線による酸化ストレスから肌を守ることができます。
紫外線によって発生した活性酸素は、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンにダメージを与えてしわを引き起こしたり、メラニンを発生させてシミの原因になることも。
これらのダメージから、肌を守る効果が期待できるため、朝にビタミンCを塗るのが有効だと考えます。
レチノールの朝の使用については、こちらの記事にて詳しく解説しております。
併せてチェックしてみてくださいね。

4-3.ビタミンCを塗った後、手洗いは不要

ビタミンCを先に塗り、その後レチノールを塗る際、手を洗い流す必要はありません。
多少手にビタミンCが残っていても、効果が薄れるようなことはないのでご安心ください。

4-4.混ぜて使っても問題ない

また両者を手のひらで混ぜても、混ぜたあとにすぐに肌に乗せれば、とくに問題ありません。
先述したように、ビタミンCを先に塗ってレチノールを後に塗る方が効果的ですが、時間のないときなどは、混ぜて肌に塗布してしまってもよいでしょう。
ただし、ブレンドしてボトルに長期間保存しておくのはNG。
あくまで、すぐに使い切るのを前提に行いましょう。

5. レチノールと相性のよい成分、悪い成分

レチノールと相性のよい成分、悪い成分
最後に、レチノールと相性のよい成分と相性の悪い成分をご紹介していきます。

5-1.相性のよい成分

レチノールと相性のよい成分は、次のとおりです。

・ナイアシンアミド

レチノールと相性良い成分としてまず挙げられるのが、ナイアシンアミド。
ナイアシンアミドは、ビタミンB3の1種。
レチノールと同じく、しわ改善効果とシミ予防の効果が期待できます。
レチノールのような刺激はなく、安心して使えるのがうれしいポイント。
しわへの効果もアプローチが違うため、効果を打ち消し合ってしまうようなこともないのです。
さらに、ナイアシンアミドとレチノールを併用することで、レチノールの刺激を和らげられるといううれしいメリットも。
その際、ナイアシンアミドを先に塗ってレチノールを後に塗るようにしましょう。
ナイアシンアミドとレチノールの併用については、こちらの記事にて詳しく解説しております。

・セラミド

セラミドも、レチノールと相性のよい成分のひとつです。
セラミドは、バリア機能を高めてくれる成分。
セラミドに満ちた肌は、水分保持能力が高く、外的刺激からも強い状態になります。
レチノールは肌刺激を引き起こすことがありますが、セラミドを併用することで、バリア機能が高まり、レチノールの刺激を軽減できる可能性があります。
とくに乾燥肌や敏感肌の方は、セラミドが不足しているので、レチノールを使い始める前から積極的に補い、バリア機能を高めておくのもよいと思います。

5-2.相性の悪い成分

一方、レチノールと相性の悪い成分は次のとおりです。

・ピーリング成分

AHA、BHA、フルーツ酸などのピーリング成分は、注意が必要。
ピーリング成分は、肌の不要な角質を取り除くため、肌が敏感な状態になります。
そのような時に、レチノールを使うと刺激を感じやすくなってしまいます。
レチノールを使っているときは、ピーリング成分が入っている化粧品は避けることをおすすめします。

・レチノール

レチノールと相性の悪い成分として、「レチノール」も挙げられます。
レチノール同士の相性が悪いというわけではありませんが、刺激を強く感じてしまう可能性もあるので、レチノール製品のダブル使いはおすすめできません。
たとえ同じメーカーのレチノール製品であったとしても、ダブル使いは避けましょう。
基本的に同時期に使えるレチノールは1種類。
1アイテム使い終わってから、別のレチノール製品に移行するようにしましょう。
その際、低濃度のレチノールから先に使い始めることをおすすめします。

6 .まとめ

今回は、「レチノールとビタミンCは併用しちゃダメ?」という疑問にクローズアップしてきました。
レチノールとビタミンCは基本的に併用OK。
その際、ビタミンCを先に塗ってレチノールを後に塗るのがおすすめです。
併用することで効果が薄れてしまうことはありませんが、どちらも高濃度のものを同時に使い始めると刺激を感じる可能性もあります。
肌の様子を見ながら、低濃度のものから取り入れるとよいでしょう。
今回、レチノールと相性の良い成分や悪い成分もご紹介したので、ぜひスキンケアの参考になさってくださいね。
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