- アルコールフリー
- 防腐剤フリー
- 香料フリー
刺激となる成分を除いた化粧品は、肌が敏感な時期のお助けアイテムですよね。
そんな中、最近ある成分を除いた化粧品が注目を集めています。
それは「グリセリン」。
グリセリンとは、多くの化粧水に配合されている定番中の定番。
化粧水の成分表をチェックしてみると、たいてい記載されています。
これまで多用されてきたグリセリンをあえて配合していない化粧品が、今なぜ注目されているのでしょうか。
今回は、そんな話題のグリセリンフリーの化粧品の効果を解説。
併せて、グリセリンフリーのデメリットやニキビタイプ別、肌質別のおすすめ度などもお伝えしていきたいと思います。
- そもそもグリセリンって何?
- グリセリンがニキビを増やすってホント?
- グリセリンフリーのメリット、デメリットを知りたい!
- どんな肌質でも、グリセリンフリーはよい効果がある?
このような疑問をお持ちの方は、ぜひお読みくださいね。
Contents
1.グリセリンとは
そもそもグリセリンとは、一体どのような成分なのでしょうか?
その概要をチェックしていきましょう。
1-1.多くの化粧水に配合されている保湿成分
グリセリンとは、ほとんどの化粧水に配合されている成分。
手作り化粧水にも必ずといってもいいほど用いられる成分です。
化粧品の全成分表示名称は、「グリセリン」。
無色透明で、粘り気があるテクスチャーをしています。
1-2.水分をつかんで保湿
グリセリンは、水分を吸収するという作用があります。
それにより、保湿力を発揮。ペタペタと吸い付くような質感をもたらしてくれます。
ただし湿度が低くなると保湿力も下がってしまうというウィークポイントも。
ちなみに、同じく水分を吸収して保湿する成分は、「アミノ酸」や「NMF」など。
さらにうるおいをキープしてくれる成分としては、水分をかかえこむ「ヒアルロン酸」や「コラーゲン」、うるおいを挟み込む「セラミド」「レシチン」「スフィンゴ脂質」などが挙げられます。
1-3.リーズナブル
グリセリンは、とてもリーズナブル。
ドラッグストアでも販売されており、100mlあたり300円以下で購入することができます。
そのため、プチプラから高級化粧品まであらゆる化粧品に配合されている成分です。
1-4.肌への刺激が少ない
そもそもグリセリンは、私たちの肌にも存在する成分。
そのため化粧品に配合されているグリセリンも、肌への刺激が少ないというメリットもあります。
2.グリセリンがニキビを増やすってホント?
以上のように、肌をやさしく保湿をしてくれるグリセリンですが、ニキビを増やすという研究結果が出されています。
株式会社サティス製薬は、化粧品に配合されている一般的な保湿剤が、アクネ菌の増殖にどの程度影響を与えるのか調査。
それによると、いくつかの保湿剤がアクネ菌を増やし、なかでもグリセリンは多くの増殖が見られたといいます。
参照:【研究調査】化粧品でアクネ菌が増える?|受託試験のサティス製薬 アクセス日:2022年10月25日
なぜグリセリンがニキビを増やしてしまうのでしょうか。
それには、次の2つの理由が考えられます。
2-1.アクネ菌のエサになる
1つ目の理由は、グリセリンがアクネ菌のエサになるということ。
アクネ菌は生き物なので、エサから栄養を摂取することで、自ら成長したり、増えたりすることができます。
グリセリンがアクネ菌の栄養となることで、ニキビの増加につながってしまうのです。
2-2.肌がべたついて、ほこりやチリが付着しやすい
2つ目は、べたつきが招くほこりなどの刺激。
保湿力の高いグリセリンですが、一方でべたつきをもたらすことがあります。
グリセリンは粘土が高く、触るとペタペタ。グリセリンの配合量が多すぎると、肌もべたついてしまうのです。
べたつきのある肌には、空気中のほこりや塵、花粉などが付着しやすい状態。
それらが肌への刺激となって、ニキビを増やしてしまうことも考えられます。
3.グリセリンフリーの化粧品のデメリット
以上のことから、主にニキビケアにグリセリンフリーの化粧品が用いられるようになりました。
次のようなさまざまなアイテムで、グリセリンフリーの化粧品が展開されています。
- 化粧水
- 乳液
- クリーム
- 日焼け止め
- 化粧下地
- クレンジング
ただし、すべての肌によい効果があるとは言えません。
なぜならグリセリンフリーの化粧品は、乾燥しやすいから。
水分を吸収してうるおいをもたらすグリセリンを配合しないことで、十分な保湿効果が得られず、肌の乾燥を招いてしまうのです。
ここで、グリセリンフリーのメリットとデメリットをまとめてみましょう。
・グリセリンフリーのメリット
ニキビへの効果が期待できる、べたつきが少ない
・グリセリンフリーのデメリット
肌が乾燥する
このようにグリセリンフリーの化粧品は、メリットもデメリットも兼ね備えているので、肌質や使う時期によって合う、合わないがあると考えましょう。
4.ニキビタイプ別、肌質別、グリセリンフリーのおすすめ度
では、どのような肌にグリセリンフリーの化粧品が適しているのでしょうか。
ニキビタイプ別、肌質別にチェックしてみましょう。
4-1.思春期ニキビには〇、大人ニキビは△
ニキビには、「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」があります。
思春期ニキビは、皮脂分泌が活発な10代のTゾーンに多くできるニキビ。
思春期ニキビには、グリセリンフリーの化粧品が効果を発揮してくれるでしょう。
一方で、大人ニキビは、必ずしもグリセリンフリーの化粧品がよいとは限りません。
大人ニキビは、次のようなあらゆることが原因で引き起こされます。
- ストレス
- 不規則な生活
- バリア機能の低下
- 肌の乾燥
- 古い角質の蓄積
注目していただきたいのが「肌の乾燥」。
肌が乾燥しすぎると、それを補おうと過剰に皮脂を分泌してしまうことがあります。
そこへ保湿力の低いグリセリンフリーの化粧品を使うと、うるおい不足になってしまう可能性も。
グリセリンフリーの化粧品を使う際も、皮脂分泌が少ないUゾーンはしっかり乳液やクリームで保湿をするなどして、使い方に注意が必要です。
4-1.脂性肌には〇、乾燥肌、敏感肌は×
次に、肌質別でチェックしていきましょう。
肌には大きく分けて4つのタイプがあります。
・脂性肌
脂性肌は、皮脂分泌が活発です。
ニキビや毛穴の詰まり、毛穴の開き、べたつきなどが肌悩みを抱えやすいのもこのタイプ。
脂性肌には、グリセリンフリーの化粧品がよい効果をもたらしてくれるでしょう。
・普通肌
普通肌は、水分と皮脂がバランスよく保たれている状態。
あえてグリセリンフリーの化粧品を選ぶ必要性もないと考えます。
それでもグリセリンが気になるようであれば、グリセリンの配合量が少ないものを選んでみてくださいね。
・乾燥肌
乾燥肌は、水分も油分も不足している状態。
保湿力が低いグリセリンフリーの化粧品は、余計に肌の乾燥を促進してしまう可能性があるので、あまりおすすめしません。
・混合肌
混合肌は、水分と油分のバランスが崩れた状態。
Tゾーンは脂っぽいのに、Uゾーンは乾燥しています。
この肌は、いわゆる大人ニキビもできやすく、乾燥によって皮脂の過剰分泌が起こっています。
保湿をすることが大切なので、グリセリンフリーの化粧品で肌を乾燥させてしまわないように気をつけましょう。
グリセリンフリーの化粧品を使う際は、簡素しやすいUゾーンをしっかり保湿するなどして部分的にケアを変えることが大切です。
・敏感肌
上記の肌タイプには記載されていませんが、外的刺激に刺激を感じる「敏感肌」の方もいらっしゃいますよね。
グリセリンフリーの化粧品は、敏感肌の人にはおすすめできません。
むしろグリセリンは肌への刺激が少ない成分なので、敏感肌用の化粧品に使われやすい成分です。
5.グリセリンの配合量の見分け方
「グリセリンは肌を保湿してくれることはわかったけれど、やっぱりニキビが心配だから配合量が少ない化粧品を使いたい……」
そのように考える方もいらっしゃいますよね。
グリセリンを多く含んでいるかどうかは、化粧品の成分表でチェックすることができます。
お使いの化粧品の、ボトルの裏面などに記載されている成分表を見てみてください。
(外箱に記載されている場合もあります)
細かい字で、ずらりと成分が並んでいますよね。
ここは基本的に、配合量の多い順から記載されています。
「グリセリン」と前の方に書かれている場合は、グリセリンの配合量が多いと判断しましょう。
後ろの方に書かれている場合は、少ないと考えられます。
試しに、2つの化粧品を見比べてみましょう。
左 エリクシール リフティングウォーターEXⅡ
右 ピュアセラ 肌美水
エリクシール リフティングウォーターEXⅡの成分表はこちら。
3番目にグリセリンが記載されていますね。これは比較的多めに配合されていると考えます。
次にピュアセラ肌美水の成分表はこちら。
グリセリンは15番目に記載されていました。
これは配合量がかなり少ないと考えられます。
グリセリンが少ない化粧水を使いたい方は、この製品のように後ろの方に書かれているものを探してみてくださいね。
ちなみに『ピュアセラ肌美水』は、乾燥肌の私もしっかりうるおいを感じられる化粧水。
これは、ベースに温泉水が使われていたり、うるおいを補ってくれる乳酸菌など、グリセリン以外にも保湿力をアップしてくれる成分が配合されているからだと考えます。
グリセリンフリーでも、このようにバランスのよい製品は乾燥肌や敏感肌の方も使いやすいでしょう。
6. まとめ
今回は、グリセリンフリーの化粧品について解説してきました。
グリセリンは、多くの化粧品に配合されている保湿剤のひとつ。
肌に刺激を与えることなく、うるおいをもたらしてくれます。
一方で、ニキビを増やすという研究結果も。
脂性肌で思春期ニキビにお悩みの方は、グリセリンフリーの化粧品でニキビ対策をすることも有効です。
混合肌や乾燥肌の方は、肌を保湿することが大切なので、あえてグリセリンフリーの化粧品を使う必要はないと考えられます。
それでもグリセリンフリーの化粧品を使ってみたいというときは、その他の保湿成分によってしっかりうるおいが保たれるかをチェックしてみてくださいね。