ふと鏡をみるとポツンとできているニキビ。
繰り返すニキビは、本当にやっかいな存在ですよね。
そんなニキビ肌でお悩みの方に、うれしい研究結果が発表されたのをご存じですか?
それは「ニキビができる人は、将来の肌がキレイ」ということ。
ニキビにお悩みの方にとっては、自分の肌が将来綺麗になるなんて想像もできないかもしれませんが、実は、若々しく美しい肌を保てるポテンシャルを秘めているというのです。
今回は、その噂の真相に迫ってみたいと思います。
併せて、ニキビを予防するスキンケアや生活習慣もご紹介。
ニキビができにくい肌を目指すさまざまな方法を解説していきます。
ニキビでお悩みの方は、ぜひ読んでみてくださいね!
Contents
1. 「ニキビ肌の人は肌がキレイ」ってどういうこと?
さっそく「ニキビ肌の人は肌がキレイ」と言われるその真相について、解明していきましょう。
1-1.きっかけは2016年のロンドン大学の論文
「ニキビ肌の人は肌がキレイ」と言われるようになったのは、2016年に皮膚科専門誌「Journal of Investigative Dermatology」で発表されたある医学論文がきっかけです。
それは、ロンドン大学キングスカレッジがまとめた研究。
「Acne sufferers’cells may be protected against ageing」(ニキビに悩む人の細胞は老化から守られる可能性がある)というものです。
1-2.ニキビで悩んだことのある人は「テロメア」が長い
その研究は、1205組の双子の女性を対象に行われました。
1205組のうち、若い頃にニキビに悩まされていたのが、全体の約4分の1の人。
その4分の1の人たちは、白血球の中にある「テロメア」と呼ばれる遺伝子が長いことが判明しました。
1-3.テロメアとは?
テロメアとは、遺伝子の染色体の末端についているキャップのようなもの。
細胞分裂のたびに短くなる特性を持っています。
細胞分裂を繰り返すたびに、テロメアが徐々に短くなり、老化は進行。
最終的に、テロメアが0.15㎜になると細胞分裂は行われなくなり、最終的に細胞は死滅します。
1-4.テロメアが長い=老化が遅い
以上のことから、テロメアが長いほど細胞分裂は長く続き、新しい細胞が生まれることから、肌の老化は遅くなると考えられます。
ニキビ肌は将来の肌がキレイといわれるのは、このテロメアが長いから。
細胞分裂が長く続くことで、いつまでも若々しい肌でいられると発表されたのです。
2.ニキビ肌の人は肌がキレイと言われるその他の原因
また、上記の論文以外にも、次のようなことが関係して、ニキビができる人は肌がキレイとも考えられます。
2-1.うるおいに欠かせない皮脂が多い
ニキビができやすい人は、皮脂が多いのが特徴。
皮脂は多すぎると毛穴が開いたり、毛穴に詰まりやすくなるなど、肌トラブルの原因になります。
しかし、皮脂は肌のうるおいを守るための重要な要素。
肌の一番外側をコーティングして、水分蒸発を防いだり、外部の刺激から内部を守る「バリア機能」のひとつとして機能しています。
肌の乾燥は、小じわを招いたり、バリア機能が低下して紫外線の影響を受けやすくなってシミやたるみを引き起こすなど、老化の一因に。
そのため、皮脂がしっかり分泌されている肌は、うるおう力が高く、乾燥による老化を招きにくいと考えられます。
2-2.若い時からスキンケアに意識がある
思春期の頃からニキビ肌で悩んでいる方は、早くからスキンケアに対する意識が高い傾向もあります。
ご自身の肌としっかり向き合っているため、適切なスキンケアを取り入れることが可能。
そのような肌をいたわる日々の積み重ねが、将来の美肌につながっている可能性も考えられます。
3.ニキビができたときの対処法
以上のように、美肌のポテンシャルを兼ね備えたニキビ肌。
とはいえ、いくらいつか肌がキレイになると言われても、今あるニキビをどうにかしたいと思うのが本音ですよね。
そこで、できるだけニキビを早期改善させるための対処法をご紹介します。
3-1.つぶさない
ニキビをつぶすのは、絶対NG。
ニキビをつぶすとそこに雑菌が入り、炎症が広がり、化膿する可能性があります。
炎症が進むと毛穴の壁が壊れて広がり、凹んでクレーターになってしまうことも。
クレーターは、日頃のスキンケアで改善することはできず、美容皮膚科などでの特別な治療を受けない限り、肌に凹凸が残ってしまいます。
いくら若々しい肌をキープできる遺伝子を持っていても、凹凸があればそれが陰影となって美しい肌から遠ざかってしまいますよね。
将来の美肌のためにも、絶対につぶさないようにしましょう。
3-2.手で触れないようにする
手でニキビに触れないようにすることも大切。
手には、目に見えない雑菌がたくさん付着しています。
その手で触ってしまうと、雑菌がニキビに入り込んで炎症が悪化してしまう可能性もあります。
できるだけ触れないようにしましょう。
ニキビ治療薬を塗る際も、しっかり手を洗ってから使うことが大切です。
3-3.髪が触れないようにする
ニキビができたときは、ヘアスタイルにも注意が必要。
つい髪でニキビを隠したくなってしまいますが、髪がニキビに触れるとそれが刺激となり、炎症が悪化してしまう可能性もあります。
髪が長い人は結んで、ニキビを刺激しないようにしましょう。
3-4.スキンケアの刺激に注意
ニキビができているときは、スキンケアによる刺激にも注意しましょう。
例えば化粧水のパッティングや、大きなスクラブなどを使ったケア。
刺激を与えてしまうので、ニキビができている時期は行わないようにしましょう。
3-5.できるだけメイクを控える
ニキビができた箇所はメイクを控えることも大切。
とくにリキッドファンデーションなどの油性のメイクアップ化粧品は、毛穴を塞ぎやすいアイテムです。
カバーするのであれば、ノンコメドジェニックテスト済の色付き下地やクリームなどを使うなどして、厚めのメイクを避けましょう。
その際、リップなどのポイントメイクはしっかりすると、目線をニキビから逸らせることができますよ。
3-6.ニキビが改善しない場合は、皮膚科へ
ニキビの症状がなかなか治らない場合は、皮膚科を受診するのもおすすめです。
「ニキビくらいでお医者さんに診てもらうなんて……」
と思われるかもしれませんが、ニキビは尋常性ざ瘡(しんじょうせいざそう)という立派な皮膚疾患。
今のニキビに適切な薬を処方してもらうことで、悪化を防ぐことができます。
ニキビを早めに治したい方、繰り返してしまう方は、ぜひ一度皮膚科に相談してみてくださいね。
4.ニキビを予防するスキンケア
ニキビを予防するためには、毎日正しいスキンケアを行うことが大切。
ここで、ニキビ予防に有効なスキンケアをいくつかご紹介していきます。
4-1.摩擦レス洗顔
ニキビ予防のためには、「洗顔」はとても大切。
1日2回、朝晩余分な皮脂や古い角質を取り除きましょう。
ただしニキビの原因である皮脂を取り除こうと、ゴシゴシ洗うのはNG。
摩擦が起きると、角層が厚くなって、余計に毛穴が詰まりやすくなり、ニキビを引き起こしてしまいます。
たっぷりの泡で摩擦を起こさないようにやさしく洗うことが大切です。
4-2.丁寧な保湿
肌が清潔になったあとは、丁寧な保湿を行ないます。
保湿をするとニキビを引き起こしてしまいそうですが、実は逆。
乾燥すると過剰な皮脂分泌を起こしてしまうため、ニキビ予防にも保湿が大切です。
・ノンコメドジェニック処方
ニキビができやすい方は、ノンコメドジェニック処方の化粧品を取り入れるのもおすすめ。
ニキビの原因菌であるアクネ菌のエサになる成分が抑えられて、ニキビ予防に効果を発揮します。
・美肌菌に着目したスキンケア製品
美肌菌に着目したスキンケア製品で、保湿をするのも有効。
私たちの肌にはたくさんの菌が住んでいます。
ニキビの原因菌も、そのひとつ。
菌のバランスが崩れると、肌に悪影響を与える悪玉菌が増えて環境が悪化。
ニキビや肌荒れなどの肌トラブルを起こしやすくなってしまいます。
美肌菌については、こちらの記事にて詳しく解説しておりますので、併せてチェックしてみてください。
・乾燥しやすい肌にはセラミド
先述したように、肌の乾燥は過剰な皮脂分泌を促すため、ニキビの原因になります。
とくに肌が乾燥しやすい人は、「セラミド」が不足している可能性も。
もともと肌にあるセラミドは、30代以降徐々に減少してしまいます。
そこでセラミドをスキンケアで補ってあげることで、肌のうるおいをキープすることができ、大人ニキビの予防につながります。
4-3.紫外線から肌を守る
ニキビ予防には、紫外線から肌を守ることも大切。
紫外線は、肌を乾燥させてしまいます。
肌は乾燥すると過剰な皮脂分泌を引き起こすため、ニキビの原因に。
紫外線は365日降り注いでいるので、一年を通してUVケアをすることが大切です。
朝のスキンケアの最後には、必ず日焼け止めを塗るようにしましょう。
5.ニキビを予防する生活習慣
ニキビを予防するためには、生活習慣の見直しも有効。
特に20代以降でできる大人ニキビは、皮脂の過剰分泌が原因の思春期ニキビとは違い、生活のあらゆることが関係してニキビが発症している可能性があります。
次のポイントを意識して、できるだけニキビができにくい生活を送りましょう。
- 栄養バランスの良い食生活を送る
- 質の良い睡眠を取る
- ストレスをこまめに解消する
- 便秘を避ける
4.まとめ
今回は、「ニキビができる人は、将来の肌がキレイ」という噂にクローズアップしてきました。
きっかけは、2016年のロンドン大学の論文。
若い頃ニキビができやすかった人は、テロメアが長く、細胞分裂が長く続くという研究結果でした。
ただし、ニキビ肌の人は、間違ったスキンケアや乱れた生活習慣でニキビができやすいのも事実。
ニキビができてしまったときに、できるだけ早く治すための対処法や予防するためのスキンケアや生活習慣の見直しが大切になってきます。
将来の美肌のためにも、今回ご紹介したさまざまな方法で、できるだけ今あるニキビを早期改善&予防していきましょう。